Thursday, January 28, 2021

二子山開拓記 新時代クライマーの息吹


クライマーのクライマーのための、クライマーによる自治団体…。みんなで岩場を作っていく!守っていく!ということですね~

素晴らしい活動だな!って素直に思います。

Friday, January 15, 2021

各登攀スタイルによる違いのまとめ

項 目        アルパイン
クライミング(注1)
フリー
クライミング
スポーツ
クライミング
ボルダー(外)
墜落の意味 死。墜落は許容されない 落ちながら登る。
墜落は当然視される
日常 頻繁
確保の意味 墜落時、ボディを見失わない グランドフォール
を避ける
ムーブの失敗を許容し、技術向上に資する ムーブの失敗を許容し、技術向上に資する
クライマー側の責任 200%
クライマーが登攀の全責任を負う
100% ビレイヤーの吟味もクライマーの責任。ビレイヤーが悪いと登れない 0%
どこで落ちても確保に失敗するのはビレイヤーのミス
無限大
落ちなければエルキャップを登っても良い
ビレイヤーの責任 0%
落ちなければ確保はスキル不要で形式的になる
100% 良いビレイを提供しないとクライマーは登れなくなる 200% どのような時も落としてはならない。原則、クライマーのミスはありえない 不要
落ちたときのリスク 死もしくは 大怪我。大規模なレスキュー前提 グランドフォールすれば大怪我。しかし、死に至ることを稀。捻挫等は頻繁 よほどのことがない限り、負傷に至ることは稀 上手に落ちること自体がスキル。スキル不足だと捻挫等が頻繁
ヘルメット 着用が当然 着用しない人とする人がいる。ベテランほど着用しない傾向があり、着用しないことが自己PRになる 着用しない 着用はありえない
クイックドローのタイプ アルパイン
ヌンチャクやスリング+カラビナの組み合わせ
(場合によってはスノーバー等)
通常のドッグボーンタイプ。
ドッグボーンが固いスポーツクライミング寄りと柔らかい外岩寄りがある
壁に固定されている 不要
中間支点の在り方 プロテクションとして信頼できることは稀。

クライマー自身が作成
プロテクションとして信頼できることが前提。(日本ではそうなっていないことが多い)
クライマー自身が作成することは、ボルトルートではない(トラッドではある)。
プロテクションとして、当然信頼でき、施設管理者により保証されている 該当せず
ピッチ数 通常、複数回、ロープが出る。途中歩くことも多い。歩きでもロープはつけっぱなしが多い ショート(1回)
マルチピッチもあるが通常はクラッギングと呼ばれる1ピッチのみの登高を目指す
ショート 関係なし
安全マージン 常にオンサイトグレードで登る。ギリギリにはトライしない ギリギリにトライすることが面白みであるので、ギリギリにトライしないのでは意味がない ギリギリにトライすることが面白みであるので、ギリギリにトライしないのでは意味がない ギリギリにトライすることが面白みであるので、ギリギリにトライしないのでは意味がない
終了点 自然物が多い
残置にやむを得ずなる
自然物利用から強固な既成アンカーまでさまざま。残置なし(クリーンクライミング)が基本 強固な既成アンカー以外ありえない
アンカー崩壊はありえない
不要
終了点に必要な強度 クライマーの懸垂下降を支えるに十分な強度
落下係数2は必要ない
懸垂下降だけでなく、ローワーダウンとトップロープに必要な強度 1.7倍 ローワーダウンとトップロープに必要な強度 不要
ビレイポイント セカンドのビレイポイントはパーティの最後の砦 常に地面から。軽いビレイヤーや不安定な大地など必要に応じて後ろにビレイを取る 地面 不要
終了点 非常に強固であれば1点もありうるが推奨はされない 通常2点から取る
脆弱性が高い場合は3点
常に管理下に置かれているので1点もありうる。通常2点。脆弱であることはありえない 不要
終了点に必要な強度 クライマーの懸垂下降を支えるに十分な強度 懸垂下降が出ることは稀。ローワーダウンとトップロープを前提とした終了点強度が望まれる ローワーダウンとトップロープに必要な強度 該当せず
アンカーの数 通常2点だが、強固であれば1点も可能。バックアップを回収つつ下降する 通常2点

強固であれば1点もありうるが通常2点 不要
支点ビレイ セカンドは常に支点ビレイ。 リードを支点ビレイすることは勧められない。ハーネスがない時の緊急用 通常ありえない。やってはいけない危険なビレイとされる。例外はマルチのセカンドのビレイ。 考えられない 該当しない
ギアに対する思想 軽量化のために限られたギアを効率的に活用する能力が求められる 通常ギア不足は、怠慢とされる 通常、ギア不足は初心者の無知以外ありえない。必要なギアは少ない クラッシュパッドは一人一枚持ち寄る
多いほど安全なので多人数が集まると安全性が高まる
スタイル オンサイト重視。
初登は常にオンサイト
困難重視。オンサイトは重視されるがグランドアップのルート以外では、初登者もオンサイトはしていない。RPなど様々な価値観が混在 オンサイトにこだわることは、コンペ以外稀 ビデオトポがあるほどで、ビデオトポを見れば、オンサイトはありえない
ロープ 通常はダブル
例外的にシングル
通常シングル
例外的にツイン
シングルの太径で墜落前提 不要
ロープの軽さ 重視される クライマーの体重との兼ね合いによる 軽さより耐久性が重視される 該当しない
ロープは誰が持ってくるか クライマーとビレイヤーがそれぞれダブルを持ち寄る 自分が登るために持つ 自分が登るために持つ 該当しない
プロテクションは誰が持つか 各自が自分用のプロテクションを用意する 各自が自分用のプロテクションを用意する(人のプロテクションでは登らない) 壁に付属 該当しない
外的要因 山岳気象と隔離性に大きく左右される 山岳ではない気象に左右されるだけで隔離性は高くないことが多い 外気温程度の左右されるのみ 場所によるが多くは平地
アプローチ 数時間、長くは数日 1時間未満の場所が多い 平地で歩くことが問題になる距離はない 場所によるが大抵は1時間以下
岩登り(クラッギングの位置づけ) 本番に対する練習 クラッギング自体も目的とされる。登頂が目的でないクライミング。 コンペなどを主体とするクライマーにとってはご褒美。 人による
両方を楽しむ人もいる
初心者像基本は18歳男子大学生が前提現代の初心者は年齢性別も様々。
子供でスタートすれば有利
高校生でスタートすることが多い。子供でスタートすればするほど有利高校生でスタートすることが多い。子供でスタートすればするほど有利
初心者の取り扱い リードが取れるようになるまで3~5年 初心者はトップロープからスタートし安全なルートを選んでリードへ進む
初心者が登る課題の選び方 2グレード下をリード。

敗退を前提とする。
1本目から落ちれることが原則だが、現実的には3ピン目以上から落ちれないことが多い。課題の見極め力が必要。特定の課題への愛情があることが多い。 自分に合ったグレードを登れば良い 自分に合ったものを登れば良い
結び替え
(通し八の字)
アルパインでは出てこない必修技術出てこない不要
懸垂下降失敗が許されない必修技術大抵はローワーダウンで済ませられる出てこない不要

注1)アルパインクライミングは山岳地帯における山頂を目指すクライミングという意味なので、岩登り以外にも、沢登り、雪稜、アイスなどの様々な形態がある。ここでは一般的な無雪期の岩稜のマルチピッチを想定 スノーバーやボラートなどの確保は比較のため、例外的としている。

Tuesday, January 12, 2021

どこからロープを出すべきか?甘い判断が失命につながった事例

■ヒヤリハットの具現化
 
九州の友人に、初めて行った北鎌尾根で、墜落で山仲間を亡くした人がいます。その人は大変つらかったようで、初めて会ったときに話をしてくれました。

今日は、散歩していたら、天啓のように、なぜ、彼女が死ななくてならなかったのか?が分かりました。

ハインリヒの法則は別名ヒヤリハットの法則。300件のヒヤリハットがあって、1件の重大事故が起きる、という法則です。(参考 https://blog.mcdata.plus/preparation/hiyari-hatto-guide/

九州の人は習慣として、易しいところでロープを出さない。

そして、それは、おそらく、いまだにヒマラヤ向けに山をしているからなのです。

日向神で簡単マルチに行ったとき、ここはどう見ても、0.1%の失敗も許されないところがありましたが、懸垂しないで、皆、リスクを冒して降りているようでした。私がロープを出して懸垂すると、え?こんなところで?という顔を古いほうの山ヤさんはされました。一方、新しい基準の方は、当然のようにロープで降りました。

登るほうは何ということのない、4級もないような尾根のルートです。ボルトもなくハーケンやリングボルトです。

こういう易しいところは、学習の狙い、としては、安全管理を学びに行くところ、ということで、私は初期に清高さんに阿弥陀中央稜や広河原沢左俣で教わったことでした。大事なことは、めんどくさがらずに出す、です。

山の会の人と行った比叡でも同様でした。これはロープを出すべきところ、と私が、客観的に判断できるところで、ロープを出さない。そして、私が拒むと意外な顔をする、ということがありました。

実は私の先輩も、一緒に行った大長征では、上部の2級トラバースでロープを外そうとしていました。が、それは、まぁ仕方ないかなと思いました。2級だからです。私はガイドとしての知識と見識がすでにある一方、彼は事故経験がなく、12まで登っていて、安全マージンの設定が1軍です。2級トラバースは、岩に引っ掛けてビレイ代わりにするのが定番ですが、そんなこと、ちゃんと教える会あるのかな?彼、山岳会で登った経験値も少ないですし…。

どこからロープを出すべきか?というのは、ある程度、合意したラインがあります。

どんなに簡単でも、失敗が一ミリも許されなければ、念のため出す、が鉄則。

易しいところは出さなくていい、とやっていると、本当に必要な時に素早く出せない…出せないロープは持っていても無駄、です。300:1の法則です。

とはいえ、山岳会でロープを出す基準と登山ガイドが出す基準では、2グレードくらい違います。山岳会だと4級は出さないです。具体的には、赤岳地蔵尾根では出さない。ガイドは出します。対象…登る人が4級がマスターできていないからです。私の九州久住での積雪期ガイド講習でも出しました。なんと3級程度のところでした。

九州の山ヤたちはロープを出す基準が、確実に簡単なところでは出さない系、です。

■ 原因

この原因は何か?と考えると、いまだにヒマラヤ時代を生きているから…のような気がします。時代遅れ、というと言いすぎでしょうか?現代の若い人が、エクストリームアルパインへ進む場合は、アラスカルース氷河などが定番で、ヒマラヤの時代はとうに終わっています。

ヒマラヤの偉大な歴史は、リスペクトするべきですが、現代のヒマラヤ初登ブームは、2番煎じです。ハイキングパーミットで登れるような山が初登されているだけですので、20代の若者が目指すべきチャレンジではなく、私のようなおばちゃんですら、ガイドと一緒なら登れるよ、って山です。

私は大した登山者でもクライマーでもありませんが、そんな私ですら、ロープが出ないなら面白くないな、と行く前から分かってしまって、つまんねーと判断してしまうような山です。なにしろ、K2ですら、エベレストのように高所遠足化しているそうです。もちろん、未知の喜びはあると思いますが…困難さが足りず、面白くないと感じさせられてしまいます。

ちなみに私が経験のある、ロープが出る山でもっとも困難な山は、GWの鹿島槍鎌尾根と黒部渓谷の横断がある、立山の真砂尾根です。この程度の山の経験しかなくても、2番目の師匠によると、デナリは、君には、たぶん退屈するよ、ってことでした。

一般ルートとそうでないバリエーションでは、それくらい違いがあるのです。言ってくれた当人も行ったものの、退屈したそうでした。(一緒に炬燵でNHKのデナリのスキー滑走の記録を見ながら、のことでした…)

ということで、一般に

  中高年登山の上がり、とされているのが北鎌尾根

ですが、ロープを出すか出さないか、ちょうど基準が図りにくい微妙な難易度のところです。

・登山者が4級も登れないような場合は出す
・念のため出す
・足が揃っていたら出さない

ヒマラヤに将来行く前提でトレーニングを積んできており、5.9ならどんなところでもオンサイトでき、40kgが担げる1軍レベルの人なら、北鎌尾根くらいノーロープでソロで行けないようでないとダメです。

しかし、高尾山すら一人で行けない山ガール(おばちゃん)を連れて行くのなら、当然ロープを出すべきです。

なにしろ、ヨーロッパからの登山者はジャンダルムですら、ロープがないと歩かないくらいです。その登山者はフリークライマーで、ロープを付けたら、華麗なムーブでスイスイ登って行ったそうです…。そんなところを、普段、クライミングに触れていない、中高年の運動能力も落ちた登山者が、いちかばちかで歩いている、というのが、日本の中高年登山者の、上がり、の姿です

Monday, January 11, 2021

山が最も美しい時間は、何時か?

 ■山がいい時間は、何時頃か?

山が最高にきれいなのは、8時、と誰かが言っていた…。

この言葉を聞いて以来、いい時間帯に山にいよう、という気持ちが大きくなった。

今日は散歩に出たら、9時半くらいがそんな時間帯のように感じた。これを言っていた人は夏山しかしない人だったから、彼の感覚の、いい時間、は、日の出から逆算すると3時間後。

夏の日の出は、5時頃、そして、冬の今は、7時半ごろ。ちょうど、1時間半遅れ…で、日の出から3時間後。

日の出から3時間後に山のいようと思うと、まぁそれは、必然的に下の方、麓の方になるわな。

皆さんは、何時ごろの山が好きですか?

私はやっぱり朝、登山口に立っている辺りの時間帯が、今から会える山がどんな山かな?と、ワクワクしているし、すごく好き。

山頂にはあまり興味がなく、登山口に立ってから、山頂に着くまでに、どんな物語に出会えるのか?というプロセスのほうが、ときめくなぁ…。

今日は平地を散歩して、山の良さは往路より、復路のほうが短いことだと思いました…

何しろ帰りはいつも、あっという間…。登りが楽しい…。


Tuesday, January 5, 2021

”山名” × ”遭難” 検索のススメ

■ 山岳会

私の周囲の人を見渡すと、山岳会には所属しない人のほうが、基本的に本格的な山を実践しており、山岳会に入っている人のほうがハイキングレベルに位置し続けているようです。

クライミングが出る山を自己責任で登れる才覚がある場合は、基本的にはその登山者は自己責任で山を登ることができている登山者、と言うことができるので、そのような帰結になるもの、と思われます。

さて、このブログでは、多数の読者が属すべき山岳会を探して、参考になる意見を探して、リーチしてくださっているようです。私の結論としては、

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技術的面で言えば、ハイキングの段階から山岳会に行く必要はないだろう
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というものです。ガイド登山も同じ。日本の里山クラスの山は、どこも個人的学習でカバーできないほどの危険はないので、個人で学習して山に向かうほうが、

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 自分らしい山登り
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ができてお得です。最初の一回目くらいは、手軽さを選んでも構わないかもしれませんが、山登りが気に入ったなら、後は自分で調べて登ることで困ることはほとんどありません。

仲間を得たいというのは、人間の自然な欲求ですので、仲間を得て、さてその後、ということになりますが…


1)準備で、全員が分担して下調べし、必要な予備知識や装備について調べる。

2)体力作りは、 自分 のプログラムを作成してみる


が、有効な対策と思われます。
 
参考:http://sangaku-osaka.com/kouhou/mt-osaka/08/175/osaka175.pdf

■ 手法

その際に、おススメは、

”山名” × ”事故” 

”山名” × ”遭難”

とGoogle検索を掛けてみることです。 そうすることで、必要な対策がピンポイントで出てくることが多いです。

例えば、

   富士山 × 事故 

検索したら、ヒットした記事の一覧画面を見るだけで、基本的なリスクが、

   冬、落石、混雑、甘く見ること、単独

…等と分かります。

というので、このように現代のネットの力を活用することで、リスクをあらかじめ洗い出すことができます。

■ 参考サイト

ダーウィン賞
https://news.yahoo.co.jp/byline/shinoharashuji/20200607-00182182/




Monday, January 4, 2021

歩荷3kg増= 膝に20kg負担が増える

 ■ 歩行時は3倍、階段では7~8倍

端的に言えば、歩荷3kg増、つまり体重が3kg増えると、膝には最大で20kgもの負担が増える、ということですね。

中高年登山においては、体重増こそが、最大のリスクかもしれませんね。



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Saturday, January 2, 2021

年始のご挨拶【為末大学】

明けましておめでとうございます。

最近為末大学にハマっています。山やの在り方、みたいなものも、どなたかピオレドール賞級の方が、為末大学チックにやってくれたらいいのかもですね‥‥