Friday, November 2, 2018

アルパインクライミングがどれくらい難しいことか?

最近、私は初心者と登る機会が2度ありました。彼女は私が初心者で始めた年齢より、うんと若く24歳です。(私はクライミングを始めたのが42歳。登山38歳)初心者と登ると、同じグレードを登っても、内容に大きな差があることが分かります。

5.9を初オンサイトした時、先輩に「フリーはこれからだね」と言われましたが、それがスタートして2年後です。

彼女と同じスタートして3か月目にも、5.8をリードしていますが、かなり怖かったです。これがまずは私のスタート地点の能力として、私の成長スピードというのは、私をインスボンに連れて行ってくれた師匠がいうには、ごく標準です。遅くない。スタートで5.7が登れ、5.8はギリギリ、から、5.9をオンサイトするまでに2年。今は5.9は登れて当然でしょう、という感じですが、RPだと5.10c、TPでは11がラッキーで登れるくらいで4年もかかっています。私は元々文系型でアスリート型ではありません。現在は5年目。


私一人の成長事例では、標本数少なすぎますから、隣の事例と言うことで、もっと強い5.12を登る先輩だと、もともとアスリート型でクライミングに有利であっても、5.12をRPできるまで10年。スタートが高くても、結局、じんわりとしか成長できないのは一緒なのです。

例えば、11が含まれるマルチピッチのルートなど(例:白亜スラブ)は、12を登るくらいのゆとりを予め作って、登らないと、”安全”にならないです。それは、設置されている支点が当てにならないため、全力自分の力だけで(これをフリークライミングという)で登るためには、要するに支点がゼロで登るだけの技術が必要だからです。ということは、11が1ピッチでも含まれるルートを登れるためには10年が必要と言うことになります。

私の場合は今は、5.7だったら決して落ちないので、5.7が完全フリーで登れるのに4年かかっているという話です。

これは、支点やロープ技術、ルートファインディングの習得を別ばなしにしての話です。なぜなら山ヤはこれらができていて当然だから、初心者の時に猛特訓を受けることになっているからです。(が、これらの技術は、ほとんど、宝の持ち腐れ技術です。でも、出番がないほうが良い技術ですが…)

というので

私のような一般人で、4,5年努力しても登れる本チャンはささやかなルートですし、
ましてや、白亜スラブのようなルートが登れるには、10~12年程度の修行期間が必要なのです…

こんなに長い修行期間が必要なので、アルパインクライミングやマウンテニアリングを志向する人が減っても仕方ないかなと…。

なにしろ、楽しみが遠すぎます…

私は独学しましたが(馬目さんも独学だと言っていました)、独学は個人間で能力差が出ます。独学に慣れていない人は、何からスタートしていいかすら分からない。となると学習環境が、どうか?ということが、競技人口を左右すると思いますが、山岳会の衰退で学習環境は悪化の一途。ということは、人口は減る一途。

ということで、理解がだいぶ深まりました。

誰でも、命を落とすのは嫌なので、「支点が強固に整備されたルートを頑張ることにします」となると、スポーツクライミングもしくはフリークライミング、をすることになります。実際、この2分野では人口増えている。

・習得に長い時間がかかる割にご褒美が小さい
・危険
・危険を回避する方法がない
・教育機関がない

がマウンテニアリングを衰退させた原因となっています。

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