Wednesday, January 10, 2018

メンバーシップ

■ 良きメンバーシップとは、ともにリスクを考えること

山には、いろいろなリスクがあります。そのリスクに対して、パーティのメンバーのメンバーシップの発露が、

 頑張ってついていく

以外ゼロなのが、中高年登山の特徴かもしれません。このような組織では、

 結果的に、リーダーが1人で、一方的にすべての責任を背負う

ことになってしまいます。これが分かっている人はリーダーだけという状態です。これではだめです。分かっている人=パーティ全員でなくては、なりません。

■ 実力以上の山に誘われたら

〇〇山に行く、という山行計画が出されたとき、

  その山に行けるかどうか?

自分で自分の実力相応かどうか?を判断する義務がメンバーには、そもそもあります。

日曜日の遠足の延長で、山をとらえていると、日本には、歩けない山はないため、誰だって行ける、を前提にしてしまいますが、実はそうではありません。

飛躍がある山が提案されたら、その飛躍について指摘するのはメンバーの義務です。

かつての日本の会社はキャリアプランまで、会社が考えてくれたそうで、社員はただ頑張っていればキャリアが形成され、財産が形成され、定年し、死ぬまでの滞りないプランが会社により提供されていたそうです。山との共通点は、考える必要がなかった、ということです。

しかるに、中高年登山では、

・そもそも、メンバーに参加する脚力がないのに参加した
・そもそも、各自がレインウェアを持っていたのに着なかった
・そもそも、出発しなければよかった
・そもそも、ロープを持っているのに出さなかった
・そもそ、渡渉すべきでなかった

などと、通常、山をやっている人であれば、リスク回避できて当然のことで、リスク回避ができない、という現象がおきます。

そして、結局は、リーダーシップ、のせいにされますが、ここで忘れ去られているのは、メンバーシップ、つまり、

山は自己責任

という視点です。自己責任が要らないような山をしているのが、中高年登山という登山スタイルです。

つまり、人間は、自分の能力ギリギリに行くとなると、だれだって、

 必死&正直

にならざるを得ないわけですが…、自分の限界グレードに挑むのに、いい加減なビレイで登れますか??? 

大なり小なり同じことで、山に対して自分のスキルが低すぎることに自覚がないと、無邪気について行って、「こんなはずではなかった」となってしまいます。

建て前、ええかっこしい、見栄、我慢 

など、率直さ以外の要素が、人間関係に交わるようであれば、その山は、ゆとりがあるのです。

本当にしんどいときは、しんどいと声に出さないと、自分が死ぬだけでなく、仲間を死の危険に陥れてしまいます。

ですので、ちゃんとした山をやっている人は、みんな

 見栄っ張りや建て前

は、克服しています。私の師匠は、なんど私に向かって

 怖い

と言ったことでしょう…(笑) 

見栄を張らずに、正直に気持ちを伝えあえるパーティが安全なパーティ=良いパーティです。

山はこのように、その人の人間力を暴露します。

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