Saturday, May 6, 2017

”本格的”登山と一般登山の差とは?

■ 定義

”本格的”という形容詞がつく登山と、一般登山が同場所に存在していることが問題視されている日本の登山界。

”本格的”という形容詞がつく登山がそもそも何なのか?

を一般登山者が分かっていないためではないだろうか?とふと思う・・・

定義:

”本格的”という形容詞がつく登山とは? 登山をするために能力開発が必要な登山

ではないだろうか?

例えば、雪を見たい!だけなら、雪国へ行けばいいだけで、特別な能力開発はいらない。が、春山に行きたい!となると、話は別で、特別な能力開発…雪上歩行訓練や雪上確保等…が必要…となる。

そこが分けて教えられていないために、特別な能力開発が必要な山に、能力開発を怠った人が出かけてしまっているために、遭難多発となっているのではないだろうか?

■ 一般道

”本格的”という形容詞がつく登山をしている人たちの間で、一般道と言われる、一般登山しかしない人がそれ以外あるとは信じていない登山道の一種は、とても歩きやすく快適に整備されている。

ニュージーランドみたいに、一般道は、基本的に、能力開発が必要ないように、道標や整備を充実させ、能力開発が必要な、”本格的”という形容詞がつく登山者が使うトレイルとは全く別にしてしまうということが良いのではないだろうか?

そんなことを思うのは、同じように、”登山道”の一言で片付けられてしまうと…

岩場へ向かう道で見つかるようなクライマーがつけた踏み跡
境界線で見つかるような、良く踏まれた踏み跡
廃道で見つかるような、踏み固められているが落石や倒木で荒れている登山道
破線ルートの比較的良く歩かれている道
破線ルートの全く歩かれていない藪道
藪漕ぎ
鹿道
植林の作業道
入渓に使う釣り師の道
頻繁に崩落を繰り返して付け替えになることが多い人気の踏み跡
遊歩道
木道
よく歩荷に使われている道
まったく歩荷に使われない道
鎖場連続の道
露出感のある道
トラバースの崩壊が気になる道
読図で作路できる道
読図では進路を見極められず、ルートファインディングが必要な道
落ち葉で一杯の道
小石でいっぱいの道
粘土質の道
凍結の道

などなど… 道の”質”についての認識ができなくなるのではないだろうか?

一言、登山道、と言って片づけてしまうのでは…大雑把になり過ぎて。

雪だって、雪の質により、歩きやすさは格段に違う。だから、毎週、同じ山に通っても、毎週、違う質の雪に出会い、勉強になる。

パウダーの時はツボ足では歩きづらくスノーシューが最適だが、雨後の雪なら締っているので、スノーシューは重たいだけ。ツボ足で十分。雪のフリクションの質も毎回違う。

そういう道に対する感性を養っていくのが、山をする、という活動って話だったんだと思う。

岩も同じ。岩も質が色々ある。石灰岩、凝灰岩、花崗岩、スラブ、ボルダ―、クラック、フェイス…全部それぞれ課題を意識して学ばないと、学べない。岩とお友達になるというのはそういう話だ。

沢だって同じであり…同じ沢でも通えば、四季折々の姿が見えてくる。おのずとどれくらいの雨量の時は入ってはならぬ、のか分かるようになる。

アイスも同じで、同じところに通うことで、氷の質の見極めが出来てくる。

それらは、同じようでいて同じではない。難易度は毎回違ってくる。だから、困難度で他人と競争することなど無意味だと理解できてくるはずなのだ。ずっと山をやっていれば。

特殊な能力開発が必要な山に必要な、特殊な能力とは…

1)男性30kg、女性25kgを担いで3時間で丹沢の大蔵尾根を歩ける体力
2)読図力
3)天候の基本的な知識
4)体力・時間、その他の要因を見つつ、ペース配分できる計算力
5)自分をピンチに陥れない生活技術
6)ロープワーク
7)確保技術
8)5.9では決して落ちない登攀力 (RPグレードは2グレード上)
9)セルフレスキューと心肺蘇生等の知識
10)その山の危急時に必要な、防衛体力 (山域によって違う)

です。他にも、要素で考えられるかもしれません。思いつく方はぜひ付け足していただけると嬉しいです。

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