Wednesday, March 20, 2019

初登ルートの保存と確保理論踏襲の両立

■初登ルートに色を付けたらどうでしょうか

ふと思ったのですが、昔の人は電動ドリルがない時代に初登したのですから、Ⅲ級やⅣ級ランナウトは、ギアの配分等、色々な面で受け入れざるを得ないリスクであったのではと思います。

そして、ボルト間隔は、「そのリスクを受け入れてまでも登ったんだよ」ということを示す貴重な証拠。

ということで、”初登のボルト間隔を後世に残したい!”というのは、

”苦労を理解されたい”&”受け入れたリスクの大きさを理解されたい”

という切実な願い、であると思います。 

ランナウトしたスラブのルートは、ボルトを打ってしまえば、ただのとっても楽しいルート、になってしまいます。つまり、挑戦がないってことです。

それは、それで、山の両面性という重要な側面を教えそこなうかもしれません。

とはいえ、現代の感覚では、アプローチ0分の岩場でボルト節約なんて、基本的に怠惰と言われても仕方ありません。

しかし、かける必要自体が希薄なところで命がけになるというのは、知性に欠けますし、無駄な死を誘発します。

ので、後世にとって命の危険があるのは良くない。

というか後世の人たちにとっては受け入れがたいリスクでしょう。

背景が昔とは違うからです。

■第三の解はないのか?

そこで、第三の解はないかなと思ったんですが、初登のボルトの位置に赤ペンキしたら、どうでしょうか?

そうすれば、初登の時は、こんな遠くにしか打てなかったんだ~昔の人はすごいなーと登った人は思うでしょう。

イラナイという人は、自己判断で、安全のためのボルトは飛ばせばいいですし!

山は自己責任と言われますが、もし自己責任であるのなら、「困難」というよりは単に「危険」というようなところには行かない、というのが、普通の人の理性的な判断になるでしょう。

■ 外国人を連れてはこれないルート

やっぱり、今のままでは、日本の岩場は世界にお披露目するには、恥ずかしい…かもしれません。

今度、訪ねてくるアメリカ人の女性は、台湾の岩場では5.12まで登っていましたが、15mもランナウトした5.6には、絶対に連れて行けないと思いました…。はるばる遠くから日本に遊びに来てくれたのに、そんなところに連れて行ったら、怒っちゃうと思います。

こんなところ登れってか?って感じですもん… 遠回しに、”さあ、落ちて死んでもいいよ~”って、言われている気分になっちゃうと思います。 

それか、挑戦状たたきつける、みたいな感じ?

というので、やはり ”おもてなし”という精神とは真っ向反対になってしまいます…

しかも、実際、15mランナウトのトラバースで落ちた人いるみたいですし…。

岩場が誰もが登りたくなるような真っ白の花崗岩とか魅力にあふれた場所であるなら、自然と有名になって、ランナウトさえも魅力というか、あばたもえくぼ、みたいな感じ、つまりヨセミテみたいになるかもですが…。

そこまでの魅力がない岩場だと、やはりその立場は練習場、ゲレンデということになると思います。

そういう場合でなくても、やはり、初登者への敬意を求めるならば、その要求とやはり同程度には、後ろに続く人たちの命への配慮も必要かもしれません。

相手と自分を同じくらい大事にする、ということです。

車で横付けできるようなところでは、穂高や滝谷とは違うのですから、ある種、練習場としての役割と割り切りが必要だと言えるでしょう…


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