Friday, December 28, 2018

ある開拓者の述懐

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岩壁の中に一本のルートを刻み込む。

それはクライマーの夢であるとともに、クライマーとしてのセンスが問われる行為でもある。

私はルート開拓について、空白の部分をただ埋めるだけでは十分とは言えない気がする。

登るのならば、ルートのもつ必然性を感じさせるものであってほしい。岩壁に新しいラインを付け加えようとする場合、それは壁の核心部に引かれなければならない。

また理想とすれば、ボルトの連打を避け、少なくとも、フリークライムが大部分を占めるルートなのが望まれる。

私はフリー至上主義者ではないから、必要を感じたときにはボルト連打も辞さない。ただし、単調なアブミの架け替えが続くのみならば、現代のレベルに達したルートとの評価はできないだろう。
ーーーーーーーー 『屋久島の白い壁』より引用

センスや感性というものは、非常に共通の理解やスタンダード、つまり基準と言うものを設けることが難しく、しかし、それは依然としてあるものだ、と思う。

私自身がボディサイズの面から、その基準に合わない、という点はとても残念だが、それは特別に小柄という特殊事情によるだろう。

そういう例外はあるにせよ、ある種のライン、この程度というのがあるのは事実だと思う。

それを文字列に起こして表現するのは非常に難しいにせよ。

そのレベルに山ヤは達しているべきだと思うが、どうだろうか。


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