Sunday, March 25, 2018

山という意思決定システム

■ カルチャーショックだった洋上研修

中学のころ、洋上研修に行きました。そこで分かったこと。

海の上で、どう行動すればよいか?は、海のコンディションとお天気と星が決めるということ。

何時に起きるべきか、いつ食事をするべきか、どう食器を洗うべきか?どう進行すべきか?

すべて、自然の掟通りで、迷うことはない。

そのことに感動しました。

私は、”命令に従うのが嫌”なのではなく、”理不尽な命令に従うのが嫌”だったのです。

■ 山に従い、人に従うのではない

同じことが山にも言えます。

山では、山の合理性があり、それに従えば、誰しも、ほぼ同じ意見になります。尾根を読めば、進路が分かります。天気を読んで、進行すべきか、すべきでないか分かります。

合理的なロープワークというものも、あります。

2級程度のところでは、コンテなど意味ないな。ロープを出すならスタカットで出しましょう。

例えば、今日遭難のニュースを聞いた、積雪期の八ヶ岳阿弥陀岳でのことです。御小屋尾根に中央稜から転進で来ていた、登山者に会ったのです…彼は伝統がある会の出身でした。

その日は、翌日がマイナス35度の寒気が入る日で、前線通過は12時頃。午後から下り坂。この予報を聞いただけで、山が「今日は11時まで登りで、あとは下ってね」と言っているなーと分かります。

彼に「今日はどういう予定ですか」と聞かれ、「11時まで頑張ってあとは降ります」と答えると、そうですよね、という答え。

一方、私が連れていた初心者の人たちは、なんで11時で引き返すべきなのか、わからないので、不満だらけでした… こういう人たちは、登山前から遭難予備軍です。

山が語ることを聞く、というのは、そういうことです。

私は、長年のリーダーがした判断と異なる判断をすることは、ほとんどありませんでした。

しかし、山の言うことではなく、

俺の言うことを聞け、

という人とは、まったく意見が合わないことが多かったです。

そういう人は山を見ていない。

みんなに、俺を見てほしい人なんだろうな。

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