Tuesday, October 11, 2016

山行計画書の良否を見極める方法

■ 杜撰な計画書
 
計画書が送られてきた段階で、あまりにカンタンで驚いた。

概念図も行程表もメンバー一覧もなく、おかしいな~と思ったのだった。

≪教訓≫

計画書が送られてきた段階で違和感がある時は、きちんと質問しておく

■ 杜撰な計画書 

計画書についての疑問が湧きおこるのは、今回が初めてではなかった。

ある岳連の冬山講習会も同じだった。あまりに簡素な計画で、計画書と言えるようなものがなく、わずか数行であり、当時の師匠は”杜撰”という言葉を使った。

ただ登山計画書には、様式に規定された基準がない。

(きちんとした計画書)と(そうでない計画書)の差が分かりにくい、というのは事実だ。

通常の山行計画書の項目リスト
・山行目的 
・連絡先
・名簿 (年齢、緊急連絡先、血液型は最低必要)
・行程表
・概念図
・エスケープ
・装備リスト

≪今回のダメダメ登山の計画書の項目リスト≫
・集合時間
・時間記載のない日程
・装備
・共同装備
・費用
・キャンセル規定

というわけで、普通の計画書の記載内容がそのままチェックポイントである

≪山行計画書良否のチェックポイント≫
・名簿
・詳細な行程表 何時にどこへいる予定か?
・概念図 
・エスケープ

■ 教訓

数行で済ませる山行計画の登山には行ってはいけない。 お金の無駄になる公算が大きい。

4 comments:

  1. 以前からこちらのブログを拝見しておりますが、今回初めてコメントさせていただきます。山に対する深い洞察と真摯な眼差しに溢れたこのブログの更新をいつも大変楽しみにしております。また、毎回投稿を拝見する度に自分の登山を振り返るきっかけを与えてもらっているという意味でKinnyさんには個人的にとても感謝を感じております。実は、私も件のガイドさんには日頃からお世話になっておりまして、今回のカモシカ山行にも誘われておりました。今回は家庭の事情で参加を見送ったのですが、雁峠までで切り上げた旨を山行後に電話で聞きました。今回の一連の投稿を拝読すると、ほぼ常連のように参加している身としては耳が痛い部分もあるのですが、ガイド山行の場合、実技講習会という名目であってもガイドとしてゲストの安全を担保する義務がある以上、「連れていく」という立場を崩し得ないのは仕方のないことだと思います。山行計画書についての指摘はもっともであると思いますが、その背景にも上記のようなガイド山行という形態の孕む「ガイド-ゲスト」の関係性(連れていく-連れていかれる)が深く関与していると考えています。かく言う私も、そのような関係性に絡めとられぬよう(言い換えると支払った金額が無駄にならぬよう)、常に単独行を想定しつつ意識的にガイドの一挙手一投足を観察し、山での判断力や技術を盗み取るつもりで山行に参加しています。誰でも自分が可愛いですから安全が担保された中で登山技術を学びたいというのがガイド山行に参加する主な目的の一つだと思いますが、結局それだけではダメで、リスクを把握しヘッジした上で単独行や自分で企画する山行も交えていかないと、つまりインプットとアウトプットのどちらの山行も設けていかないと依存登山に陥る危険があるなと最近は考えています。また、ガイド山行から何を得るかはひとえに参加する人間の心構え一つだと思いますが今回の山行がKinnyさんにとって期待外れのものであったのは、これまでのKinnyさんご自身の投稿から推察するに、山行目的自体のミスマッチもさることながら、おそらくもうすでに自分で自分の登山を組み立てる基本的なスキームや単独でのカモシカ山行のスキルが身に付いているからなのだと思います。
    ヒマラヤや四尾根については、私も一緒に行きましたが、やっぱり次は自力で登りたいというのが正直なところです。自力で登る山と登らせてもらう山の価値はやはり雲泥の差があると思いますよ。ただ、登らせてもらう山がまったく無価値だとは思いません。ステップアップの一環としてそういう山を経験する価値はあると思いますし、それが山の価値を貶めることには必ずしもならないと思います。件のガイドさんにおいても、ガイドとしてのジレンマを抱えながらも自身がガイドする山行をステップにして自立した登山者が巣立っていくことをテーゼの一つとして掲げていますしね。もうお会いする機会もないかもしれませんが、是非一度Kinnyさんと山行を御一緒して山のことを色々お話ししたかったなというのが率直な感想です。

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  2. コメントありがとうございます☆ 私は参加者の皆さんは、強いし真面目で言うことがないなと思いました。みなさん素晴らしい登山者です。が、一方で、リーダーが従順を求めすぎていると思いました。自らの頭で考えることを放棄して、俺に任せろという意味です。最大の問題は、カモシカではなかったことです。最低でも夜間3時間程度の歩行が入らないのであればカモシカではない。昼夜兼行で仮眠程度で歩くのがカモシカ山行といえるので、山行の名前から違ってしまいます。計画書の不備もいつもなのですか?計画書こそ、後輩の登山者がそこから学ぶものなので、学ばせたい先輩なら、計画書に思いを色々込めるものだと思います。冬季ですが、ジャケットの色まで書かせていた計画書には”責任の重さ”を学ばせてもらいました。
    私も”経験のために連れて行ってもらう”山は有っても良いと思っています。が、実際、色々あってみると、復習山行している人ってほとんどいないです。人間は弱い生き物ですから、まったく技術ゼロの段階で連れて行ってもらって、その後、必要になる膨大な努力をして、自力で行く人がいないのは成り行きかもしれません…前の会では、そのことが分かっているようで、自分で歩ける見込みができた人しか本チャンは連れて行っていなかったです。前穂北尾根に行ったのは、5.9がリードでき、三つ峠での本チャン練習もつるべででき、小川山でクライミングするのに自分のロープを持ってくるようになってからです。まだ4級しかのぼれず、ロープワークもあやふやで、自分のロープも持っていない段階だと、復習山行しようにも、復習山行にも先輩が必要になってしまいます…そんなことを考えました。
    連れて行ってもらう山が踏み台になると本当に良いと思います。私にはない路線なのだなーと実感した山でした。
    また休憩が長すぎ、肺に冷たい空気が入って喘息が起きそうな気がしたので先に降ろしてもらいました。ご迷惑をおかけしました、申し訳ありません。ただ、カモシカはまた別の機会に実践することとしたいと思います。

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    1. 先に山を降りた件については体調のことですから仕方がないと思います。カモシカ山行についてのご指摘は確かにその通り。カモシカ山行といっても実際に行動するのは日のあるうちだけで、夜間に行動することはほとんどないと事前に聞いていたので、それじゃあいつものテン泊山行と変わらないなとは思っていました。ですが、来る冬山でのテン泊装備を背負っての長時間行動に向けてのトレーニングの一環とも聞いていたので、それを主たる目的に据えるのであれば全装背負ってある程度の歩荷に耐えながら複数日にわたって歩くというコンセプトはあながち間違ってもいないのかなと思いました。ただ、Kinnyさんのおっしゃる通りカモシカ山行とは違いますね。
      山行計画書については、参加者名簿と正確な行動予定時刻の記載はいつもないですね。それは、山岳会や仲間内での山行と違ってメンバーの足並みが未知数であることや、個人情報保護の観点から記載が難しいのかと思います。ただし、山行前に口頭でガイドから全メンバーの紹介があるのと、大まかではありますが日ごとの泊地の記載はあるので行程の目安にはなると思います。概念図は確かにあれば良いと思います。持ち物に地形図とコンパスが毎回記載してありますが、地形の把握は各人に任せているというのが現状でしょうね。
      これは特定のガイドに限らずガイド山行全般に言えることだと思いますが、参加者は山行の安全管理よりもまず山歩きやクライミングを楽しむことが第一の目的で、安全管理はガイドが引き受けるものという考えが根底にあるのだと思います。私などは行程管理や安全管理も山の楽しみの一つであると思っているのですが、楽しむだけのゲスト登山者を出発点としてそこから自分でも安全管理を学ぼうとするか、そのままゲストに甘んじるかは個々の参加者の目的意識次第だと思います。
      ただ、Kinnyさんが既にご経験されているように山岳会等の組織登山でも受動的登山が常態化しやすい中で、いわんやガイド山行をやですよね。まず安全管理という前提が自前で確保できるようになってから身の丈にあった山を積み上げていくという考えからすると、ガイド山行自体が邪道になってしまいますね。ご指摘は確かにその通りであり、耳が痛いです。Kinnyさんのカモシカ山行が成功することを願っております。

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    2. コメントありがとうございます。
      カモシカ山行…昼夜兼行の山行を言うのですが…3年見送っています。会に提案したら「当会ではそこまでの山をする予定はない」とのことで、高齢化により本格的にハイキングだけの会に舵取りした、ということでした。その次は山中湖を一周するカモシカを企画しました。
      テント泊装備を背負っての長時間の行動であれば、キログラムと時間をある程度の目安にすべきかもしれません。私は私の歓迎山行で(自分で企画した山です)が、12時間行動を計画したら、長すぎると言われました… その人のために短く計画縮小したにもかかわらず…です。本来歩きたかったところを歩かないで縮小しても12時間。その会では、12kg程度のザックを背負っての行動で、10時間行動ができない人もいるようでした。ザックの重さは体格もありますし難しいですが、冬山なら15~18kgは必要かもしれません。また行動時間は、ハイキングの人であっても最低10時間程度連続できる体力が必要かもしれません。

      今回は、奥多摩駅まで行く前提だと、初日から飛ばさないと奥多摩には届かない距離でした。70km、一般コースタイムで9時間、14時間、13時間でした。ただ、この距離を歩くつもりで用意するのと、冬山のために重い荷物を担いで歩き時間で区切ってテント泊するつもり…では、山行の目的が違います。

      カモシカではなかったのです、単純に。私は昼夜兼行の山行が目的でした。まぁ山行名にそう書いてあったからです。違ったら参加しないでしょう。

      一日10時間行動を〇〇Kg担いでできること、5.9がスラブでもクラックでも登れること、冬山なら雪上講習修了者というような”参加資格”を設けることは、ある程度の山をしたかったら必要かもしれませんね。実際そのように資格制にしている山岳会は多いようです。特に年配の人や20代の人は歩ける人と歩けない人の差が極端だと聞いています。一般に60代はとても強いみたいですが…初心者の60代はヨワヨワです。20代でもまったく歩けない人もいるそうですし…。

      そうした基準なり参加資格が指定されていない山行…つまり、予定した計画を貫徹する見込みが非常に少なく、今ある足で歩けるだけ歩く山行、と言えるのかもしれません。

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