Thursday, January 12, 2012

登山靴選びの予備知識・・・選び方

■ 幅広迷信

一般に、日本人の足は幅広甲高といわれますが、実はそれは思い込みで細幅の人が多い…
というのは、バレエでおなじみポアント選びでも有名な話です。

 迷信1 幅広
 迷信2 広いほど良い

幅広でない人が幅広の靴を履きつづけると、外反母趾が悪化します。バレリーナの大半が外反母趾
なのは、骨の成長期に合わないトウシューズ(ポアント)で爪先立ち、親指だけに体重がかかって
いるにもかかわらず靴からのホールドがなかったからです。

本来足に合ったポアントを履けばならないはずですが足に合う靴を履くということがあまりに難しい
ため、バレリーナの外反母趾は当然視されています…

要は 『足にあった靴を履きましょう』 ということなのですが…

足に合った靴を探すというのがこれがなんとこのハイテクの時代にあって難しいことでしょう?

自分の足の足の3Dデータを入力すれば、マッチングする木型を使った靴の候補がすぐにも出てくる
そんなコトだって結構容易に可能な気がしますが…夢のデータシステムですよね。

登山靴とポアント選びは似ています。まずつま先とシャンクに強い剛性が必要なこと。
そして、詰め物を前提としていること。ポアントはゴムの詰め物とセットで考えるように登山靴は靴下とセットで
考えます。

■ 足の解剖学的予備知識

登山靴は3シーズン用のSirio421ですが、この靴は別段痛くないという特筆すべき特徴があるので…
(そう、痛くないのはすごいことなのです!)特に悩んでいなかったのですが…冬の靴を買い足すに
あたって、ここはやはり熟考どころかと。

登山靴選びではあまり強調されていませんが、人類のつま先は3タイプに分けられます。

・エジプト型 約70% 
・ギリシャ型 約25% 
・正方型   約5%


ネットから拝借した画像です。

ちなみに足を入れてみるとこんな。 これも拝借画像。分かりやすい。

でギリシャ型=オブリーク型。人類のつま先の形はオブリークタイプが7割を占めるにもかかわらず、実際市場で7割を占めているのは、つま先が細くなるギリシャ型タイプの靴です。

ファッションが優先だからですね。ま、靴の用途の7割はファッションともいえるのですが こと、登山靴やポアントは機能性のみが購入の動機になるかと。

私がシリオを気に入った理由はこのオブリーク型。
木型を見てもだいぶ違います。これもネットから拝借。

他に 知っておくべき足の解剖学としては2つのアーチ。

 ・縦のアーチ 土踏まず 崩れると偏平足 
 ・横のアーチ 足裏の平 崩れると開帳足

要するにアーチがないと 平面 に近づいてくるってコトですね。足裏の筋力をつけて
立体感のある足を目差したいものです。

最後に、くるぶしの骨が回外している人はO脚になりますが、こういう人は足首を外側にねじる捻挫をしやすいです。
生まれつきくるぶしの骨が外に傾いていることがO脚の原因だからです。

 ・O脚 → 外側にネジって捻挫しやすい
 ・X脚 → 内側にねじって捻挫しやすい



まとめると、靴を選ぶ際の解剖学的ポイントは3つ。

 1.つま先  → 適度な空間的ゆとりとつま先剛性
 2.土踏まず → 形状と剛性によるサポート
 3.くるぶし → 左右の剛性&前後の自由度

私の理想はつま先が広く、土踏まずで足の前すべりを支え、しっかり足首が固定される靴です。

■ 合わないとどうなるか?足のトラブルから理想の靴を探る

足幅って、とても弾力性があるんです。ちなみにぎゅっと足を握り締めてみると幅はすぐ変わります。だからといってその状態では歩けません。纏足ですね。ちなみにハイヒールは現代の纏足ですよね~。

足裏にタコや魚の目ができる人は合わない靴を履いています。長時間歩くと水ぶくれができますが
それもそこが擦れるため。圧迫されるとタコになります。圧迫が強いと魚の目に。

私もOL時代は細い靴を履いていたので、魚の目をとるサリチル酸の絆創膏が手放せず…ちなみにバレエシューズで
まじめにバーレッスンをすると足裏の筋力をつけるので足のトラブルの予防になります。バレエシューズは
布一枚。これを考えると地下足袋などで歩く登山は足裏の筋力を強化しているのかもしれません。
登山でも岩壁を登るクライミングシューズは地下足袋みたいですよね。シビアな場面では指力が最後にモノをいう?!

《タコと靴の関係》
 ワイズが広すぎる靴 → 足裏にタコ
 ワイズが狭すぐる靴 → 指間にタコ
 形があっていない靴 → 小指などあたる箇所にタコ
 長さが短すぎる靴  → 指先にタコ

私は開帳足気味なのであまり足幅が広すぎて(4Eなど)サイドからのホールドがないと、長時間履いたときに親指の腹のところに水ぶくれができます。開帳足が悪化していますね。

しかしこれは体重移動としては正しい移動ですから母趾球に水ぶくれができる靴ではとりあえず正しく歩けていますね。

今はいているシリオ421も3日続けて8時間ほど歩くと右足の裏に水ぶくれができました。開帳足ですね。下りでできた。しかしまぁ長時間歩いたとき以外は問題が無いので素晴らしい靴です。

で、冬靴定番 スポルティバのネパールEVO と トランゴはオブリーク型だということを発見! 

なるほど人気の理由ですね。

■ フィットのポイント

フィット感で要注意な点は、大きすぎる靴です。足首で縛ってしまう登山靴は、大きすぎても、靴下で合わせる事情もあり、靴の中で足が泳ぐようなことになっても痛くなければフィットしているのだと勘違いしてしまいます。

確かに甲の部分を覆う靴や紐靴は足の動きに靴が追従しやすい…のは、覆う部分が多いから当然です。

しかし、実はパンプスみたいに覆う部分が少なくてもフィットした靴は足に追従してきます。それこそ
シンデレラの靴です。

この辺の感覚は日本人にとっては分かりづらいところです。なぜならわれわれの靴の原点は下駄や雪駄。
つまり最初からパタパタさせて通気性がよいのが原点なのです。靴は足に追従しない。

この方式はやっぱり暖かいところの人にはよいようで、欧米であってもニュージーランドや
オーストラリアの人ははだしで歩いている人も多く、サンダルの人が多いです。何しろ、
暑い国でぴったりとした靴を履いていると水虫になります(笑) 勝手な想像ですが、
きっとはだしは足裏の皮が自然と剥離するのがいいのではないかと? 

ともあれ、足にぴったりと追従させるには、靴本体には形状とサイズが合っていることのみを要求
足裏の土踏まずのフィットには良い中敷を入れることが肝心です。 

平たい足の人は足が前滑りしがちななので、特に下りでフィット感を重視。
逆に登りではかかとが固定され、足首に自由度があることが重要です。足首は前後には自由度が広く、
左右には自由度が少ないことが重要
です。これは斜面を歩くときは足首を前後に動かすけれども
左右の足首を動かす範囲は捻挫を防ぐ意味からあまりなくていいからです。まとめると

《フィット感》

・つま先への前滑り  → 下り斜面で確認 
・かかとの浮き    → 登り斜面で確認 
・くるぶしのフィット → 捻挫しそうな角度を作ってあたる箇所を確認。

最後に 足の形を考えたとき、考慮すべきポイントは、以下のようになろうかと思います。

《足の形状と4つのチェックポイント》
 ・つま先  形   広さ   → じゃんけんのパーができる
 ・土踏まず 高さ  サポート感 → 前滑りしないことを下り斜面で確認
 ・かかと  サイズ フィット感 → 浮かないことを登り斜面で確認
 ・くるぶし 位置  サポート感 → サポートされることを捻挫姿勢で確認
 ・足首       自由度   → 登り斜面で確認

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