■ ローワーダウンとラッペルの教え方
ロープに体重を預けても安心だ
と言うことを教えるには、
平地、
を使います。
具体的手法は以下です。
1)ビレイヤーがコントロールするローワーダウンを平地で教える(バディの関係を直感的に納得させる)=命は相手の手中にある
2)グリグリで自分でコントロールしながらローワーダウンすることを教える(つまりラッペル)
=命は自分の手中にある
3)同じことをATCで教える ダブルストランドで。
=命は自分の手中にある
以上で、懸垂やローワーダウンで、
自分の責任で自分の命を守ることができるクライマー
が一日で作れます。
14歳でも、これでやれば、降りれませーん、なんてことにはなりません。20代の男子でも、降りれませーんになっていますからね。あるいはコンペの選手でも懸垂下降ができない選手がいます。
そんな無責任クライマーを作ったのは、大人の無責任、です。
まずは、全部平地、でやることが大事です。ギアにも、ロープにも信頼がないのですから、フェールセーフが必要です。
次に、本当の懸垂下降の場所に連れて行き、高度感、を体験させ、
高度感に対する対応力
をつけてもらいます。高度感があって怖い、というのは、懸垂下降をし始めた途端に減じます。高度は下がるからです。
ぶら下がっていれば安全、
という感覚を持つのは、立っていれば安全という平地感覚とは全くかけ離れた非日常感覚ですので、当然、しばらくかかります。壁をトラバースする感覚なども、実感してもらいます。
(ギアや懸垂セットへの信頼の量)>(見せかけの恐怖)
ということを納得するのが大事です。
ここで、セルフを2か所取る、というのも大事です。
リアリティがある設定でないとセルフの大事さは、なんとなくしか、分かりません。
初心者にとっては、まずは、自分が岩場で、快適に怖がらずに過ごせないと、ビレイなど人の分の命の責任を持つことなど、不可能でしょう。