キャリアマネジメント講座に、興味があり、出てきました。
さて、クライミングに適用してみます。成長するための方法論は同じ。
私は、ここ6年間、登山にキャリアマネジメントしてしまい・・・6年でここまで来て自分でもびっくり仰天ですが、正式なマネジメント法を教わったわけではないので、セミナーはとても役に立ちました。大筋でやっていることはあっていました。
1)かなえたい理想像(夢)を描く 例:5.9マスター
2)現状を分析する 例:登攀力足りない、一般登山・雪・沢は単独でもできる・・・みたいな?
3)自分の価値観(=幸福と考えれること)をきちんと把握する
例: 小さくても自分で登る山がいい、みたいな?
4)これまでの歴史を振り返り、良いと感じたことを強化し、悪いと感じたことを今後は捨てる
例:山岳会退会、みたいな?
5)仲間からフィードバックをもらう
例:メンターからアドバイスをもらう 「今は楽しく登る時期ですよ」みたいな?
6)スキルの棚卸をする 例: 登攀力、体力、知識・・・各種を評価
7)”求められること”から、ミッションを把握する 例:ビジョンメイキング?
8)”やりたいこと”から、ビジョンを把握する 例:レスキュー技術のHP化・・・みたいな?
9)タイムマネジメント 例: 平日はジム、土日は岩、みたいな?
10)アクションプラン 例: 山梨にいる間は山を優先、みたいな?
■ PDCA が基本
簡単に言うと、PDCAなんですが、プランが間違っていると、すっとんきょうな方向に行ってしまいます。
でも、まぁ行ってしまっても、軌道修正すればよろしい、ですが・・・。
私の場合は、軌道修正は、地域山岳会の退会ですかねぇ・・・地域山岳会とでは、目指す山の内容が違った感じでした。
フリーに注力するようになったのも、環境要因が大きいです。フリーをするには、別に山岳会は必要ないので。
やはり本チャンをする場合は、山行管理の面から、会のニーズは感じますが、今のところ、本チャンへ行く実力が足りていないので、切羽詰まったニーズがないです。
■ 自分を知るのが一番難しいタスク
ほとんどの場合、幸せは個人個人で違うのに、自分にとっての固有の幸せの形が何か?がワカラナイ・・・
私にとって幸せとは? という回答が一番重要なのですが、それを知るのが、最初の難関です。
端的に言うと、クライミングでは、(烏帽子岩左岩稜)より(乾徳山中央岩稜)ということも、やってみて分かったことで、やってみるまでは、よく分からなかったのでした・・・
どちらもベテランが助っ人に来てくれたんですけどね~(笑) ホントに幸せ者で、すみません。
いやこれは、本当の自分を知るのが一番難しいという事例ですが・・・
だって、同じように連れて行ってもらった山ですが、例えば広河原沢アイスとか楽しかったですから。
自分を知るには、過去を振り返ります。能力、興味、関心、価値観、位置づけ・・・
・これまでの歴史を整理して、幸福感を関連付ける
・現状の棚卸
・自問自答のインタビュー
・スキルマトリックス
などで、価値観を明らかにし、強みと弱みを把握します。
例えば、私は・・・
(組織)<(個)
(ゼネラリスト)<(スペシャリスト)
(虫瞰図)<(鳥瞰図)
(帰納) <(演繹)
(安定) <(変化)
というような感じです。
■ リスクに備える
さて、ここでも、リスク中心の考え方は役に立つようです。リスクに備えるには未来予測がポイント。
これは、「ワーク・シフト」からの抜粋による未来予想です。赤字は、クライミングに関係がありそうなところ。
テクノロジーの変化
- テクノロジーが飛躍的に発展する
- 世界の50億人がインターネットで結ばれる
- 地球上のいたるところで、クラウドが利用できるようになる
- 生産性が向上し続ける
- ソーシャルな参加が活発になる
- 知識のデジタル化が進む
- メガ企業とミニ企業家が対等する
- バーチャル空間で働き、「アバター」を利用することが当たり前になる
- 人工知能アシスタント が普及する
- テクノロジーが人間の労働にとって代わる
グローバル化
- 24時間 週7日休まないグローバルな世界が出現する
- 新興国が台頭した
- 中国とインドの経済が目覚ましく発展した
- 倹約型イノベーションの道が開けた
- 新たな人材輩出大国が登場する
- バブル形成期と崩壊が繰り返される
- 世界の様々な地域に貧困層が出現する
人口動態
- Y世代(1980年~1995年)の影響力が拡大する
- 寿命が長くなる
- ベビーブーム世代の一部が貧しい老後を迎える
- 国境を越えた移住が盛んになる
社会の変化
- 家族の在り方が変わる
- 自分を見つめなおす人が増える
- 女性の力が強くなる
- バランス重視の生き方を選ぶ男性が増える
- 大企業や政府に対する不信感が強まる
- 幸福感が弱まる
- 余暇が増える
エネルギー・環境問題
- エネルギー価格が上昇する
- 環境上の惨事が原因で住居を追われる人が現れる
- 持続可能性を重んじる文化が形成され始める
■ 検討
インターネットは私は学生の時から使っていますが、今では誰もが使う道具。山岳会には行った時一番驚いたのは、インターネット技術への乗り遅れでした。これは、山岳会衰退のかなり大きな原因と思います。なにしろ、まだ郵送とかが普通です・・・(汗) 切手を貼って郵送する手間と、ネットでPDFで送信する手間では、労働量が10倍くらい違います。
今後の世界の流れを考えると、ソーシャルメディアへの参加は避けて通れない道のようです。知識のデジタル化も同様ですね。
グローバル化では、もしかしたら、韓国やラオスにクライミングに行く人は、小川山より安くつくから、なんて理由かもしれません。
スキーではありますが、ニセコがオーストラリア人に人気になったのは、記憶に新しいところ。日本の経済的地位は落ちてきていますが、受け入れ国としては良いことで、他国の人は日本を訪問しやすくなるので、クライミングで日本に来てもらうということも可能なのかもしれません。
現在の登山ブームは、中高年の長寿化を受けていることは確実ですね。登山は安上がりな趣味なのです。ただ、一般登山と”本格的”がつく登山のすみわけが徹底していないところが、副作用としての、高齢者の山での病死や墜落死などの遭難の増加をまねています。あぶないのは、昔バリバリ本チャンをやっていて、退職して山を再開した人です(笑)。
若い人の登山は、ある意味、来る貧困に備える意味があるかもしれません。山の生活は貧困そのものなので・・・。 貧困でも意外に楽しめますし。
家族の在り方が変わると、コミューン的な暮らしがより可能になるかも?山岳会の仲間であれば、より親しく、頼りがいがある絆であると、私自身は感じます。
男女のパワーバランスが近づくようですが、どうも、すでにクライミング界は男女差あまりない世界。山ってあまり男女差が出ません。
大企業から、個人への流れは、極地法からアルパインスタイルへの流れを感じさせます。
エネルギー価格が上昇すると、もしかして、昔ながらの、裾野から歩く山スタイルが復活するのかもしれません。今は林道でギリギリまで、車で入ってしまいますケド。
災害で住居を追われるどころか、噴火で山を追われる事件がすでにありました(御嶽山)。今後も、火山噴火、地震、あるいは、ゲリラ豪富など、グローバルウォーミングの影響は、山では顕著かもしれません。
持続可能性、サステイナビリティですが、環境だけでなく、山岳会の運営自体がサステイナブルではない、というのが現在の課題としてあるかもしれません。
私はいつも思うのですが、安全登山には
・山には順番がある
が大事だと思うのですが、そうしたかつては口承で伝達された知識がすでに失われている山の世界・・・
そういうのを書き残していくれているベテランはいないのでしょうか・・・?