Sunday, October 1, 2017

トップロープ支点に使う場合は、しっかりしたアンカーを構築しましょう

今日は人工壁の使用許可試験の日だった。

考えさせられることが多い日だった…

というのは、

試験官が、最初の座学(と言っても話を壁の前で聞くだけ)で、「ぬんちゃくにトップロープを掛けるときは、もう一つ上の支点からもスリングで伸ばして取るように…」と指導していたからだ。

「中間支点でアンカー作れって言うんですか?」とビックリ仰天して聞いてしまいました。

一般に、スポーツクライミングの人工壁やフリークライミングの岩場では、終了点という立派なアンカーが用意してある。

その途中は、中間支点といい、アンカーではなく、登っている途中での墜落を支えるもの。

ランニング支点には、基本的には落ちないで登る…万が一落ちたときのための保険である…のが前提…だが、その前提が全く覆されてしまっている現代のクライミング事情…。

しかし、考えてみれば、中間支点、プロテクションについては、一般の人にとっては理解が難しいのかもしれない。

フリークライミングでは、ある程度、墜落が許されている。ペツルボルトなら墜落しても大抵の墜落は止められる。が、ハーケンだったり、カムだったら話は別だ。

カムだったら、カムをしっかりと設置する技術が必要。ハーケンはオブジェ。信用してはいけない。

しかし、人工壁=スポーツクライミングなら、墜落は前提で、落下係数が0.2になるように設計されている。安全に配慮されているのだ。

しかし、その前提は、スポーツクライミング=人工壁のみ。

自然の岩場では、落下係数はもちろん人工壁のそれより大きく、フリーの岩場なら、まだ墜落も可能だが、アルパインの岩場では、決して落ちてはいけない。

中間支点は中間支点で、アンカーじゃない。

トップロープ支点はアンカーで作るもの…その前提が崩れてきているのだ。

私が思うには、すべて教える順序が逆になっているというのがそもそもの間違いなのではないだろうか?

私はアンカーの作り方から先に教わったと思う。その次にランニングの取り方。

支点は、クライミングのもっとも重要な部分を支えるもの。

クライマーにとって支点は命を預けるもの。

なので、いかにうまく支点を構築できるかは、重要なこと。

登っても登れなくても、ローワーダウンしていくので、このときこそ、支点がすべて。

だから、支点のことを先に教えるべきなのです。

カチ持ちとか、スローパーとか教える前に。

したがって、こういうべきなのです。

”人工壁でランニング支点一点でトップロープをするのは危険行為です” と。



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