Monday, April 23, 2018

蛮勇vs地頭力

山の世界では、蛮勇がもてはやされる…これは山の本の影響。

勇気は大事だが、蛮勇である必要はない。

蛮勇とは、今風に言えば、イケイケってこと。

むしろ、山に必要なのは、地頭力、だ。

リスクを、とことん考えて、現実的に、どうしたらリスク回避できるか?を考えつくす力のこと。

例えば、アイスリードが課題だとしよう。

その時、自分に必要なのは何か? 

いくら易しい三級アイスでも、もろいアイスは、適さない。仮に敗退が起こった時に、アイススクリューを残置したくなければ、アバラコフを作れる技術が必要だ。アバラコフを作るには、最低20cmくらいの厚みの氷は必要だ。

などなど、お尻から考えて、今何が必要か?が分かる。

そういう、リスクを因数分解する思考能力のほうが、よく考えもせずに、勇気だけで取りつく、蛮勇よりも重要。

リスクを因数分解する能力=地頭力。

死なないために山ヤは、地頭力を鍛えましょう。

5.11がRPできないと登れない5.10b? 経験者の同行が必要とされる訳

”日本での”、岩登りは、非常に危険だ。

というのは、

”5.11がRPできないと登れない5.10b”
とか、

”5.10bのムーブが出てくる5.9”
とか(笑)。

一般的な常識からすると、

「じゃ、素直に5.11でいいのでは?」

とか、

「素直に5.10bでいいのでは?」

と思ってしまう。

平たく言えば、グレード感が統一されていない。

グレードは初登した人がつけるので、その人の意思を尊重されて、そのグレードになっているわけだ。

だが、

グレードは何のためにあるか?

という本質を考えると、

怪我を防いで、安全に楽しむため。

である。登れるスキルの目安が必要だ、というのがグレードの意味である。11しか登れない人が、12に取り付いたら落ちてしまうのは当然なので。

今のグレーディングの現状だと、真逆になっている。

そのため、そこの岩場をよく知っている人に、あらかじめベータと言われる情報を貰って、正確な情報を貰ってからでないと、トポの情報だけで行くのは、とても危険、ということになっている。

特にクライミングを始めて間がない人は、このような事情自体を知らないだろうことが多いので、特にそうだ。

そのため、

この道の先導者

が必要と言うことになっており、それが、

”経験者の同行が必要”

ということの意味になっている。

Tuesday, April 17, 2018

怖いvs怖くない 初心者経験者対決

初心者のころは、はっきり言って、ロープシステムを理解していないので、無知がゆえに怖くない(笑)

       初心者vs 理解者
ランナウト    怖くない 怖い
トラバース    怖くない 怖い
1ピン目遠い   怖くない 怖い
ハンギングビレイ 怖い   怖くない
セルフなし    怖くない 怖い
ロープをまたぐ  怖くない 怖い
スリングで伸ばす 怖い   怖くない
ロープがこすれる 怖くない 怖い
ゼロピン目なし  怖くない 怖い
被り       怖い   怖くない


自分も含めてだが、初心者のころの登攀ってホント怖いよな~と思う。ハーネスもつけずセルフもつけないで、岩の上の際から10cmのところに登山者は平気で立つ。高所恐怖症を公言する夫ですらそう…

でも、確実な支点と繋がっていないで、よくやるな~とクライマーならだれでも思う。

私は支点では必ず自分で支点にずーっと安定的にテンションしたまま、ビレイしている。あるとき、後輩に、”こんなところで、支点にぶら下がって空中に露出しているなんて、勇気ありますね!”と褒められて(?)、ガックシ… 君だって、同じ支点に守ってもらっているんだよ~。ビレイヤーのセルフは最後の砦。

リードにはリードの技術があり、ダブルのロープなどやっぱりよく考えて登らないと交差したりもして、気を遣う。

セカンドでも、よく考えてくれる人だと、ロープのたるみは最小限で、余った部分をたるませず、ビレイしてくれるので、落ちても何とかはなるだろう…が、ランナウトした岩場で落ちると、その後が厄介だ…。宙づり登り返し技術、ビレイヤーの脱出、リードクライマーの救出法くらいは知っていてほしいかも?捨て縄とか、ムンターミュール用のスリングなど、ちゃんと持ってきてほしいかも?

トラバースは、登山者のころはしょっちゅう登山道でトラバースばかりしているので、その延長の感覚があり、怖くないですが、クライミングしていると、何が安心って直上が一番安心です。トラバース、=振られる。

被りは、真逆で、初心者時代は超怖いが、フリーだったら、かぶっていないと落ちれない。かぶっていれば、落ちても空中。スラブで落ちたら、大根おろしなので、スラブこそ怖い。同じことで、テラスやバンドが出てくると、またグランドするところが出てきたということで、用心する対象が増える。その場所から1ピン目ではやっぱり落ちれない。落ちたらグランドと同じことだからだ。

とまぁ、初心者時時代にほっとするところと、ロープシステムを理解してからほっとするところでは、かなり違う。

やっぱり確実な支点というのが、心のよりどころとなってしまう、今日この頃…ハーケンなんて信頼はできない。リングボルトはもっと信じられない。

でも、この恐怖心は、成長と引き換えの恐怖心なのだ…はぁ。

何も怖くなかったころの、無垢な自分が懐かしい…

三つ峠は初心者ゼロで行って、2回目からリードしていたが、それがいかに危険行為であったかを理解して、驚愕した…(笑)登攀自体は易しいので、何も怖くなかった。

Thursday, April 12, 2018

リード登りvsフォロー登り

■アルパイン登りvsフリー登り  

アルパインでの、リードはザイルを伸ばしていく…という活動で、実際、登っていると、とても時間がかかります。

それは落ちると、死や怪我に関わるから。

特にアルパインではそうで、ビレイがあっても決して落ちてはいけないと教わります。(のため、落ちない程度のところしか、逆に言えば行けません)


フリーの場合は、上手になるためには墜落も含め、できないことをできるようになる、という活動をしないといけない。

頻繁に墜落します。つまり、落ちます。

これは、なかなか切り替えが難しい活動です。

■ セカンドはさっさと登る

一方、アルパインでもフリーでも、マルチではセカンドはさっさと登る、です。

リードは危険が大きいから、時間をかけても許されますが、セカンドだったら、とにかく早く登ってきてくれないと。

セカンドなのに、フリーにこだわって登る必要はないです。

(でも、へたにエイドするより、フリーで登るほうが、どんな場合も素早く登れます。フリーにこだわるというのは、ロープに頼らない、という意味です)

■ トップロープが長いクライマー

トップロープばかりの期間が長いと、リスク管理がおろそかなクライミングが身に付きます。

というのはロープに守られて、今、おちたらどうなるか?という思考をしなくなるから。

つまり、クライミングが大胆だ、ということです。

■ リードは繊細な登り

リード登りは、逆に言えば、大胆ではないクライミング、になります。

つまり、実力が10の力だと仮定しましょう。

トップロープなら12の力が出せても、リードだと8の力しか出せません。

”落ちるリスク”が高いからです。

■ リード経験の積み上げ

なので、大事なことは、低いグレードを登っている時代から

 リスク管理 & 登攀の実力 & スピード

の3つの力をバランスよく育てていくこと。

5.8と登攀が易しくても、落ちたらマズイ場所にある課題は多いです。

■ 実例

私が、兜岩でリードした5.8は、翌年は、1ピン目のボルトが増えていました。

つまり、リスク管理力も、5.8しか登れない頃は、クライミング自体が初心者のため、比較的低い、ということ。

誰かが落ちたのでしょう。

■ セカンド専門クライマーの欠陥

セカンド専門クライマーの欠陥は、

リスク管理不在、

ということです。

これは、肝心の、扇のかなめ、のところが欠けていることになり、自立したクライミングには、それだけ成長しても、結びつきません。

一方、登攀力が低くても、リスク管理とセットで成長していけば、小さな山でも、少しづつ、積み上げて登ることができます。

実際、山というのは、リスク管理が楽しみの一部とでもいえるもの、なので、セカンドだけ、というのは、楽しみの一面しか知らない、というのとも、同じ意味になります。

自分のエゴのために、後輩にセカンドしかさせないクライマーもいるほどだからです。

大事なことは、

リスク管理、登攀力、スピード、

全部をバランスよく育てていくことで、特定の課題の特定のムーブが、たったの1度だけこなせたら、5.12登れました、というのでは…。

クライミングは、課題により、損と得があるので、自分に合った、どこかの一課題だけでそれを実現しようとしている人は、けっこう多く、そして、それはあまり難しいことではないように、思います。特に若い間に、パワーだけで解決する、というのはありがちです。

■ 安定性

しかし、クライミングでむしろ大事なのは、安定性、です。

安定性とは、悪い時も良い時も登れるグレードという意味です。

安定していないと、リードで取りつくときに、やはりリスクが大きくなるためです。

リードで取りつくときの安定性、というのは、疲れていても、一本目でも、ということです。