Thursday, January 18, 2018

山のベテランからいただいた知恵のまとめ

山のベテランからいただいた知恵のまとめ
1)ラッセルはラッセルそのものよりルートファインディング
2)ルートファインディングには読図力が前提
3)良き仲間を得る最善の方法は、レスキュー訓練の共有
4)自分の目で見て、現場で地形判断することが大事
5)ビレイの要諦とは、常に今堕ちたらどうなるか、を考え続けること

Monday, January 15, 2018

山を続ける上での課題

■ 教え損を無くす

最初の師匠は会の代表者で、よく相手を試す人だった。

まず出会いからして、「流動分散を作って見せなさい」
次は三つ峠で。「人気ルートは何ですか?」
アイスで。「ここがリードできないようじゃ、見込みなし」

答えられないと次がない仕組み。これは、教え損を減らす師匠なりの工夫だったようだ。

■ 危ない人と危なくない人を見分ける方法は?

アルパインをスタートして2年ほどで、ずいぶん多くの、アルパイン1年生の死や事故を耳にした。

危険な人と危険でない人を、予見して 切り分ける方法はあるのだろうか?

同行者というリスクマネジメントをしなければ、巻き添え死を受けてしまうのが、山、のようだった。

1)いい人かいい人でないか?は、基準にできない

阿弥陀北稜凍傷3人の人も、4人の父親で世間ではいい人。

2)山小屋関係者かどうかも基準にはできない

小屋のオーナーとしばらく歩いたが、4時間登頂にかかる山なのに下界で10時出発にするなど

3)知性も基準にできない

ものすごく賢い人に、ものすごくエリート教育をほぼ無料で一年してみたが、全くダメビレイヤーにしか育たなかった

4)年齢

若くてもしっかりした人はいるし、高齢でベテランでも、自覚がなく突っ込む人はいる

5)体力

体力がある山ヤは、その辺にごまんといる。が、ほかの人の安全には貢献しない。自分が安全になるだけ

6)高度な山岳会に属している

これも老舗に属しているからと言って、優れた山ヤとは限らない

7)登山歴の長さ

これは生き延びたということで、その人が、人的リスクを避ける方法論を確立しているのではないかと思うのだが、非言語で、言語伝達されない

8)性別

男性にも危ない人はいるし、女性にもいる

9)ガイドかどうか

死んだ同期の友人は、ガイドである先輩についていった山で亡くなった

10)クライミングが上手かどうか

全く相関関係なし

11)子供がいるかどうか

関係なし

12)責任ある地位についているかどうか

多少あるのかもしれない

13)読書家かどうか

強い関連がありそうに思うが、定量的に計測できない

14)年間登山日数

関連がありそうだが、内容にもよるだろう

15)装備のよしあし

関連は多少はありそうだが、見た目では判断できないことが多い

16)教育

山教育をしても、あまり効果は上がっているように思えない。無駄とまでは言えない

というわけで、外見やその他から、その人が安全かどうかを見分ける方法はないに等しい。

■ レスキューを共有する

唯一の実効性がありそうな対策は、レスキューの共有。レスキューを共有していると、その人がどれくらいスキルがあり、あるいは考え方がどのような考え方なのか?ということが、垣間見える。

ベテランであっても、危ない人は危ない。

スキルではなく、判断力の場合もあるので、姿勢を見る、ということになると、突っ込むタイプかそうでないか、なども見れるようだ。

一生の友達ができることもあるそう。

■ 2点が課題

・教え損を無くす
・危ない人を避ける

この2点が、山ライフを続ける中での最大の難問で、この回答に、ガイド登山を選ぶ人もいます。アルパインのガイドさんというのもいますが、阿弥陀北稜5万円とかです。5万も払って、相手にリードさせてやるなんて、なんか損だなぁとか、私などは思ってしまいます。

私と夫で、適当に二人で行ったような北横岳程度の山でも、ガイド登山で行くと、3万円です(汗)。

同じお金なら、レスキュー講習に払うのがベスト!

Wednesday, January 10, 2018

メンバーシップ

■ 良きメンバーシップとは、ともにリスクを考えること

山には、いろいろなリスクがあります。そのリスクに対して、パーティのメンバーのメンバーシップの発露が、

 頑張ってついていく

以外ゼロなのが、中高年登山の特徴かもしれません。このような組織では、

 結果的に、リーダーが1人で、一方的にすべての責任を背負う

ことになってしまいます。これが分かっている人はリーダーだけという状態です。これではだめです。分かっている人=パーティ全員でなくては、なりません。

■ 実力以上の山に誘われたら

〇〇山に行く、という山行計画が出されたとき、

  その山に行けるかどうか?

自分で自分の実力相応かどうか?を判断する義務がメンバーには、そもそもあります。

日曜日の遠足の延長で、山をとらえていると、日本には、歩けない山はないため、誰だって行ける、を前提にしてしまいますが、実はそうではありません。

飛躍がある山が提案されたら、その飛躍について指摘するのはメンバーの義務です。

かつての日本の会社はキャリアプランまで、会社が考えてくれたそうで、社員はただ頑張っていればキャリアが形成され、財産が形成され、定年し、死ぬまでの滞りないプランが会社により提供されていたそうです。山との共通点は、考える必要がなかった、ということです。

しかるに、中高年登山では、

・そもそも、メンバーに参加する脚力がないのに参加した
・そもそも、各自がレインウェアを持っていたのに着なかった
・そもそも、出発しなければよかった
・そもそも、ロープを持っているのに出さなかった
・そもそ、渡渉すべきでなかった

などと、通常、山をやっている人であれば、リスク回避できて当然のことで、リスク回避ができない、という現象がおきます。

そして、結局は、リーダーシップ、のせいにされますが、ここで忘れ去られているのは、メンバーシップ、つまり、

山は自己責任

という視点です。自己責任が要らないような山をしているのが、中高年登山という登山スタイルです。

つまり、人間は、自分の能力ギリギリに行くとなると、だれだって、

 必死&正直

にならざるを得ないわけですが…、自分の限界グレードに挑むのに、いい加減なビレイで登れますか??? 

大なり小なり同じことで、山に対して自分のスキルが低すぎることに自覚がないと、無邪気について行って、「こんなはずではなかった」となってしまいます。

建て前、ええかっこしい、見栄、我慢 

など、率直さ以外の要素が、人間関係に交わるようであれば、その山は、ゆとりがあるのです。

本当にしんどいときは、しんどいと声に出さないと、自分が死ぬだけでなく、仲間を死の危険に陥れてしまいます。

ですので、ちゃんとした山をやっている人は、みんな

 見栄っ張りや建て前

は、克服しています。私の師匠は、なんど私に向かって

 怖い

と言ったことでしょう…(笑) 

見栄を張らずに、正直に気持ちを伝えあえるパーティが安全なパーティ=良いパーティです。

山はこのように、その人の人間力を暴露します。

Monday, January 8, 2018

つぼ足

■つぼ足について

雪山を学ぶにあたって、習得する要素の一つに

つぼ足

があります。一般ルートのように滑落の危険がほとんどなく、傾斜の緩い、雪上歩行では、つぼ足を基本としたほうが、後々、高度な歩行スキルが身につく、と思います。

一般ルートで学ぶべきことは、高度な歩行スキルの習得、です。

アイゼンは、基本的に氷をとらえるためのもので、雪ではないです。氷化していない通常の雪では、キックステップとフラットフッティングで、たいていのところが歩けます。

もちろん、傾斜や雪の状態にもよりますが、雪=アイゼン、という自動思考は、必要ないです。

むしろ、キックステップが必要な斜度とフラットフッティングで十分な斜度の違いを、身をもって理解したり、逆ハの字歩き以外の足の疲れを分散させる歩きを工夫するためにも、初心者は、できるだけアイゼンなしで、雪道歩行してみることをお勧めします。

■ アイゼンが絶対いる山と、念のため必要な山が明瞭に分かること

…こう書くと滑落の危険があるところでアイゼンなしの人が出るかもしれないと思うので、念のため書くと、八ヶ岳赤岳は、12本爪以上のアイゼン必携で、仮に6本しか持ってこないようだったら、行者小屋待機が適当です…念のため。装備不足はダメです。

金峰山や鳳凰三山のように、長いけれど特に危険個所がない山では、つぼ足で大体のところが歩けます。これらは、アルパインの基礎となる山なので、ほとんどつぼ足で歩けて当然の山です。もちろん、コンディションによるので、アイゼンは必要な時はすぐにつけられるよう、持っていないといけません。

どのような道やどのようなコンディションでどのような装備が適当か、どのような技術が必要なのか、そうした見極め力をつけるのが、山とお友達になる、という登山という活動の楽しみ方かと思います。

■ 分かっていない人との軋轢について

こういうことが頻繁に山では起きています。

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同意致します。オーレン小屋前で、未アイゼンで歩いていたら、年配者に見下されました。フカフカ雪で、必要無しでしたが。その人は、高価なファイントラックの上着、無意味なリュックサックに付けた、無意味なカラビナ&スリングに、アイゼンでダブルストック。必要無しだろ?そう思いました。
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このブログで私が受けた一般登山者からのバッシングも同じく分かっていない人からのバッシングです。気にしないのが一番ですね!

どういうことか?と解説しますと、こうしたことが怒るのは、ある意味仕方がないのです。

雪の山がスタートの人と、雪の山がゴールの人の違いなのです。あるいは、赤岳がスタートの人と赤岳がゴールの人。

いわゆる一般登山で、スタートした人は、カラビナの使い方を知ることがありません。ので、スリングとカラビナは、アクセサリーとなってしまっても仕方がないのです。スリングも持っている種類が全く違います。簡易ハーネスを作るためのスリングと、支点用では、用途が違います。

ウエアが高級なのは、高額なクライミング用品を買いそろえる必要がないので、余った資金がウエアに行くためと思います。

クライマーにならない限り、アルパインへのステップアップ(本格的登山へのステップアップ)は、ありません。その場合、クライミング用品は買いそろえるだけで、だいぶお金がかかります。

また、講習会費用も掛かります。揃うまで2-3年は、高額なウエアに回すゆとりはないですし、ゆとりが回せるようになったころには、海外の岩場に行くほうにお金を回したくなってしまい、またウエアに行くことはない。そのころには、多少品質の落ちるウエアでも、リスクマネジメントできるので、高級なウエアは必要なくなっている…という循環になっていると思われます。





Thursday, January 4, 2018

安全かどうかは、その人による

■ 体力一点豪華主義

若い人は誰でも、おじさん登山者に、「体力すごいですね~!」と言ってあげます。それは、若い人が礼儀正しく、おじさん登山者が言ってほしそうにしているからです。言わないと、もっとややこしいことになるのは、目に見えているし…。

本当にすごい人には誰も「すごいですね~」と言わず、もっと具体的で根拠を特化したほめ方をします。

■ 防衛体力

体力には、2種類あります。通常の体力と防衛体力。

通常の体力は、有酸素運動や筋トレでだいぶ人により変わり、そこらのへなちゃこ20代より、強つよの60代がいることも、また真実です。

これは、20代が弱いだけなのかもしれません。よくわからない。やる気の問題かもしれません。

が、防衛体力っていうのは、「年齢は嘘つけないね」ってやつです。

■ 個別事象

例えば、視力が衰えれば、夕暮れでは、こけやすくなるから、早めの下山が必要です。若い時は、少々のヘッデン下山は楽しみのうちかもしれませんが、視力が衰えると楽しみではなくなります。

コケて怪我でもすると、レスキューになり、それだけならまだしも、低体温症でピンチに陥ったり、長期の怪我の要因となったら、山に行けなくなったりと、リスクがリスクを呼ぶ循環に。

物忘れが多くなる=ロープはどっち引きだっけ?というのは、若い時より注意が要りますし、俺の手袋どこ?!さっき、ぽっけに入れてたよ、なんてのも増えます。

そういう意味で、いろいろと注意していくことが増えますが、全く覚えていない人よりマシで、新人さんは、「セルフ取りました」と言って、セルフを解除したりします。全く分かっていない人の危なさはないです。

また、経験値が高いということは、自己管理力が上がるので、たとえ末端の血管が弱くなっても、手首にカイロ張るという知恵があり、それを怠ることがないので、それがない若い人より、むしろ安全な人もいます。

というようなことを、事細かく解説するのは、めんどくさいので、一般的に、山やは

「安全かどうかは、その人による」

という言い方をして、結果

うーん、分かったような、分からないような?

と山を知らない人には感じさせてしまいます。

要するに必要なのは、

自分自身をよく知り、
山をよく知り、
予想される個別の事象を一つ一つ、つぶしていく…

ということです。

■ ついていくのが使命っておかしい

山域概念図が頭に入っておらず、右も左もわからないでバリエーションへという人は、ものすごく中高年に多いです。それは、たぶん、

リーダーについていくもの、という固定観念



山に行く前に、どういう知識がないと危ないことになるか?という山行シミュレーション

が、不足しているからなのではないか?と思います。

風が強かったら、どうするか?
雪が降っていたら、どうするか?
トレースがなかったら、どうするか?

いちいち個別に事象を予想して(仮説思考)、そのリスクに備え、

(リスクいっぱいで行けない)を(リスクはあるけど行ける)にひっくり返していく、

というのがゲームの本質だと思うのですが、違うのかな?