Friday, August 9, 2024

だれも北アの登山の安全を考えられなくなるわけ…

 ■だれも北アの登山の安全を考えられなくなるわけ…

小屋を運営していると、些細な人間関係のいざこざ…例えば、布団の畳方をA君には、こういわれたのに、Bさんに違うと言って直された、とか… 

  俺は悪くない、なんで俺が怒られるんだ…

と頭の中がぐるぐると、”俺は悪くないのに、悪くないのに…”

と、どうでもいいような些末な人間関係のごたごたに、長い時間、囚われることになるので、本来、小屋が考えないといけない

 登山者の安全

をどうしたら確保できるか?ということに考えが行かない。しかも、古くから小屋をやっている人は、

 私でも〇〇が登れますか?って??はぁ??そんなもんは、自分で考えるもんだ、

とか

 そんなことあらかじめ調べてこい!

とすら、思っている。

しかし、日本では、情報開示がされていないので、登山者のほうは、自分が登れるのかどうか?判断する材料がない。

いわゆる、

インフォームド・ディシジョンメイキング=判断材料になる情報を与えられた意思決定、ができない

ので、結局、いちかばちかになる。

ので、ぜんぜん、歩き方の指導、天候と計画の立て方の指導、登山者への注意喚起、そういったものができない。

小屋番の立場になると、朝食の片づけでバタバタしているときに、「すいません、〇〇への登山道って…」と質問しても、「今、忙しいんで」ということになる。

登山者からすると、サービスが悪い、となる。

■ この段階で、忙しいことが原因だ、と誤解してしまうと?

バイトを増やそう、ということになる。

バイトを増やすと、結局、山小屋は、登山者のためにある、というより、小屋バイトメンバーのための小屋になる。

つまり、そこで働いている人が下界並みの快適さを得るほうが優先される。

結果、登山者は、お客さんなのに、

 来ないといいなぁ…

みたいな本末転倒なことになってしまう…(笑)。

そうなると、小屋の経営は赤字化する。

■ 高衝撃な歩き方の弊害が積もり積もった登山道=浮石が多く、歩荷しにくい

そのような状態のところに、トレランの流行で、軽装のお客さんがしっかり踏み固められていた踏み石をも、高衝撃のランで動かす。

その動いてしまった踏み石は、見た目は踏めるのに、実は、ゆるくて動く、

そして、その緩くなった踏石をバランス感覚が衰えた、高齢の中高年登山者が踏む

バランスを壊す…

遭難

小屋番は、小屋の運営で、登山道の整備まで、手が回らないので、登山道は荒れに荒れ、浮石だらけ、となる。

お金を払ってくれる年配のお客さんは来ないで、通過のトレランの人ばかり…

トイレ代は安く、宿泊料は高額なのに、宿泊料が入らないので赤字

ということなんだろうなぁ…

 こんな大きな踏み石まで、動かすんですよ?トレランの人…反省してください!!

ということが、登山道を観察して分かった。

■ 歩荷道は、細かく刻まれて歩きやすくなっているモノです。

というのは、非常に浮石が多く、歩きにくかったからだ。これは、歩荷されていないな、と思った。

しかし、オヤジさんはボッカしている、というので、うっそ~と思い、劔御前小屋までの、同様の道を同じザックの重さで20分ほど歩いてみた。歩きやすかった。

ので、劔御前小屋はちゃんと歩荷していると思った。

つまり、歩荷の頻度が、トレランの人で荒らされる頻度より低いのだろう…

刻まれていない。

昔から伝承された、歩荷道はたいてい小さく刻まれているので、歩いていたら、すぐわかるんですが…雷鳥沢~奥大日~称名滝までの道はあまり刻まれていなかった。

…というか、むしろ、浮石だらけになっていたので、登山道の難易度としては、もともとより、上がっていると思うのですが…。

たぶん、昨今のトレランメインの登山者が石を浮かしてしまうので、それが積みあがって歩きにくくなっているだけなんではないかと推測。

私がいる10日でも、普通に歩いていたら浮かないような、大きな踏み石が浮いて、ぐらつくようになっていました。大日岳へのピストンの短い道ですら、です。

登山に来る、みんなの歩き方がとっても高衝撃だからだと思うんだけど、違うのかなぁ。

一般的に指導されている、山を荒らさない、低衝撃の歩きは、全くこの登山道では行われていない、ということだろう。

というか、北アは、トレラン風にカッコつけた登山者ばかりだったぞ??

じわっと歩く山ヤ歩きをしている人には、一人しか会わなかった。

みんな歩きが下手くそなのに、スピード自慢ばかりで辟易。早いことがエライわけないでしょ。

参考:適性な歩荷量の計算 https://stps2snwmt.blogspot.com/2014/12/blog-post_31.html

No comments:

Post a Comment