Sunday, February 4, 2024

山の二極化…沈殿について

■沈殿のこと

数年前に、屋久島開拓者の米澤さんと沈殿について世間話をしました。

黒部横断でピオレドールを取った伊藤さんは牛首尾根で19日間の雪洞泊での沈殿をしていました…ので、あるとき宴会で、伊藤さんに「そういうときって何をするんですか?」と聞きました。答えは「大マッサージ大会」 好天が3日連続しないと行動不能なそうです。

米澤さんは5日間の沈殿の経験があるとこのこと…。

翻って一般クライマー。夏の小川山合宿ですら、雨が3日も続くと苦痛です…山岳用テントの狭い中に3日。雨だと行動が不能ってわけじゃありません…外に出て歩くくらいはできて、登攀が不能なだけです。それでも、師匠の別荘に、「雨だから助けて」と駆け込んでくる人は、いっぱいいました…

私は沈殿ではありませんが、ほとんど雨の後立を5日縦走したことがありますが、無雪期だからいいけど、冬季ではなぁと。冬季のテント泊で3日以上って結構つらそうだと思います…

現代の世界的トップクライマーがやっていること(19日)、

伝統的な山岳会のトップクライマーがやっていること(5日)、

山岳会の中堅レベルがやれること(1~2日)

一般クライマー ちょっとの雨で挫折

の差が、分かるでしょうか?

従って”雨なら行かない登山”は、まったくハードコアではありません。

こんなくらいでハードコアって言ったらハードコアが笑われます。

私は厳冬期のテン泊も縦走も、一人でやっちゃう系ですが、その程度の人ですら、一般市民レベルの登山”客”クラス(冬季山小屋泊、一般市民の登山からすると1割のアッパークラス)から見ると、かなーり高いレベルです。 

さらに、冬は山はお休みで、夏しか山をしないハイキングレベルの登山”客”レベル(全体の9割)から見ると、かりにそういう人が私がやっている山をすれば、遭難、です。

現在、どんな物事でも二極化、ということが言われますが、山の世界の二極化、が分かってもらえるように解説できたでしょうか?


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