Tuesday, January 2, 2018

日本山岳会支部の遭難

こちらは昨日飛び込んできた遭難事例。
もう何も言うことはないと思いますが…。
ここから導けることは何か?
それを議論の対象とするべきかと。日本の一般社会でも企業不祥事の多い2017年でした。
不祥事に蓋する体質が改まりつつある事例として、正直であることの良さを認めましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
29日午前10時50分ごろ、北海道平取(びらとり)町の幌尻岳(ぽろしりだけ)(2052メートル)で、登山をしていた日本山岳会広島支部(広島市)の男女8人のグループのうち、男性3人が川に流されたと、付近の幌尻山荘から119番があった。地元消防によると、3人は道防災ヘリで救助されたが、いずれも搬送先の病院で死亡が確認された。
     死亡したのは東広島市高屋町小谷、自営業、日高孝司さん(64)▽広島市安芸区矢野西3、無職、金行卓郎さん(64)▽山口県周南市須々万本郷、会社員、荒本正之さん(73)。
     道警門別署によると、8人は29日朝に宿泊先の幌尻山荘から下山する途中、川幅約10メートルの額平(ぬかびら)川を命綱を使って渡った際、先頭から2番目にいた日高さんが足を滑らし転倒。先頭の金行さんと後ろにいた荒本さんが抱きかかえて助けようとしたが、3人とも水中に沈んだという。現場周辺は当時、雨が降っており、水深が約1メートルあった。メンバーの広島市の福川渉さん(66)は下山後、報道陣に対し「水の流れが多少強かったが、行けると思った。山小屋にとどまる選択肢もあったが、全員の総意だった」と話した。
     日本山岳会広島支部によると、8人は7泊8日の日程で24日に北海道入りし、上川地方の十勝岳などに登った後、28日に平取方面から幌尻岳に向かう「額平川ルート」で入山した。【福島英博、源馬のぞみ、三沢邦彦】

    経験も判断力も

     北海道の幌尻岳で川に流された3人が所属していた日本山岳会広島支部によると、3人は北アルプスの白馬岳などの登山経験もあり、登山ルートや行程に注意を払い、天候が悪化すれば断念するなど判断力もあった。【東久保逸夫】
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーhttps://mainichi.jp/articles/20170830/ddn/041/040/022000c

    ーーーーーーーーーーーーー
    29日午前10時50分ごろ、北海道平取(びらとり)町の幌尻岳(ぽろしりだけ)(2052メートル)で、登山をしていた日本山岳会広島支部(広島市)の男女8人のグループのうち、男性3人が川に流されたと、付近の幌尻山荘から119番があった。地元消防によると、3人は道防災ヘリで救助されたが、いずれも搬送先の病院で死亡が確認された。
       死亡したのは東広島市高屋町小谷、自営業、日高孝司さん(64)▽広島市安芸区矢野西3、無職、金行卓郎さん(64)▽山口県周南市須々万本郷、会社員、荒本正之さん(73)。
       道警門別署によると、8人は29日朝に宿泊先の幌尻山荘から下山する途中、川幅約10メートルの額平(ぬかびら)川を命綱を使って渡った際、先頭から2番目にいた日高さんが足を滑らし転倒。先頭の金行さんと後ろにいた荒本さんが抱きかかえて助けようとしたが、3人とも水中に沈んだという。現場周辺は当時、雨が降っており、水深が約1メートルあった。メンバーの広島市の福川渉さん(66)は下山後、報道陣に対し「水の流れが多少強かったが、行けると思った。全員の総意だった」と話した。
       札幌管区気象台によると、平取町では29日未明から雨が降り続き、降水量は同日午前4時からの1時間で12ミリあった。【福島英博、源馬のぞみ、三沢邦彦】

      日高山脈最高峰、難度高いコース

       幌尻岳は北海道中南部の日高山脈の最高峰で、日本百名山の一つ。平取、新冠両町にまたがり、平取側ルートの「額平川コース」は沢渡りを十数回繰り返す難易度の高いコースとして知られる。毎年夏に山頂一面に高山植物が咲き、日高山脈の山並みが一望できると人気で、毎年約2000人が入山する。
       場所によって水流の強いところがあり、渓谷が深いため、雨になると急激に水位が上がことが多く、増水した川に流されたり、沢の途中で逃げ場がなくなったりするケースが相次いでいる。昨年8月に70代の男性が登山道から沢に転落して死亡。2010年には50~60代の女性4人が川の急流に足を取られ、1人が死亡するなど事故が起きている。【三沢邦彦】

      「経験、判断力あった」

       川に流された3人が所属していた日本山岳会広島支部によると、3人は北アルプスの白馬岳などの登山経験もあり、登山ルートや行程に注意を払い、天候が悪化すれば断念するなど判断力もあった。
       同支部では昨年11月にも、ベテラン会員と学生の計2人が富士山で滑落死する事故があり、安全管理の徹底を呼びかけてきた。八幡浩支部長(70)は報道陣の取材に「ショックを受けている。原因が分かるまで、支部で登山をやめることも検討しないといけない」と話した。【東久保逸夫】
      ーーーーーーーーーーーーーーhttps://mainichi.jp/articles/20170830/ddr/041/040/003000c

      ーーーーーーーーーーーー
      北海道平取(びらとり)町の幌尻岳(ぽろしりだけ)(2052メートル)で今年8月、公益社団法人「日本山岳会」広島支部の60~70代の男性3人が川に流され死亡した事故で、同支部が事故原因を「リーダーが遭難防止の判断を行っておらず、各自バラバラに行動した」などとする報告書をまとめたことが同支部への取材で分かった。山岳事故が増加する中、力量のあるリーダーの不足が課題となっており、報告書はこうした実態を同支部は昨年にも死亡事故を起こしており、同法人を監督する内閣府に求められ、12月に提出した。山岳事故の報告書は内部での情報共有を目的に作成されるため、内容が明らかになることは異例だ。
       事故は8月29日朝、男女8人のグループで宿泊先の山荘から下山する途中に発生。雨の中、幅約10メートルの川をロープを使って渡った際、1人が足を滑らせ転倒し、近くの2人が助けに入ったが、3人とも溺れて死亡した。川は増水していたという。
       報告書などによると、リーダーは同支部に入会して約10年のベテランで、研修会などで会員を指導していた。他の7人は沢登りの初心者だった。事故当日、午後から天候が回復するとの見通しを山荘管理人から聞いたが、リーダーは待機するかどうかの判断をせず、成り行きに任せて下山を開始。リーダーは事故現場で「川の流れが速いので渡れない」と発言したが、その後、リーダーが知らないうちに一部のメンバーがロープを使って渡ると決め、動き出してしまった。報告書は「リーダーシップを発揮できなかった」とし、1人が転倒した後はパニック状態に陥り、2次災害を防ぐための冷静さを全員が欠いていたと結論付けた。
       山岳事故の調査分析が専門の青山千彰・関西大名誉教授は「リーダーが暫定的な役割でしかなかった可能性があり、全員のリスク対応の甘さにも問題があった。組織としてリーダー育成に取り組むなど事故防止策を考え直すべきだ」と話す。
       同支部では昨年11月にも富士山の登山中に会員と男子学生計2人が滑落死する事故が発生。現在は活動をほぼ停止している。【東久保逸夫】

      登山リーダー育成急務

       警察庁によると、登山ブームを背景に山岳遭難事故は急増しており、昨年は全国で2495件発生。過去最多だった前年に次ぐ多さだった。遭難者は2929人で、うち60代と70代が4割強を占めた。登山者の団体は実地訓練などリーダーの養成研修に力を入れている。
       グループ登山ではリーダーが危険予知と回避義務などの責任を負うとされ、刑事処分を受けたケースもある。2009年に8人が亡くなった北海道大雪山系トムラウシ山(2141メートル)の遭難事故では、天候を顧みず強行的なスケジュールで引率したなどとして、警察がツアー会社の男性ガイドらを業務上過失致死傷容疑で書類送検した。
       友人同士のグループでの登山はリーダーの位置付けがあいまいになりがちで、リーダーシップが発揮しにくいという。幌尻岳の事故のグループも友人関係で、パーティー全体でリーダーの判断を尊重する姿勢がみられなかった。日本山岳会のある会員は「登山ブームで比較的簡単な山しか経験のない会員も増えている。登山歴が長いだけではリーダーとしての危機対応能力を備えているとはいえない」と指摘する。【東久保逸夫】
      ーーーーーーーーーーーーーーhttps://mainichi.jp/articles/20171231/k00/00m/040/124000c



      No comments:

      Post a Comment