Sunday, October 29, 2017

ギリギリボーイズって何、検索結果

ギリギリボーイズって?と知らない人の多い昨今…

検索結果。

天野和明
伊藤仰二、佐藤裕介、宮城公博
岳人編集長
横山勝丘
長門敬明

以下は、山ヤなら知っていて当然の人たち。
平出和也

その他、花谷さんとか、馬目さんとか、一般の登山者の人は知らない…が、知っていて当然の人たちである。

http://hat-j.jp/wordpres/wp-content/uploads/2013/11/2010-04amano.pdf

http://www.yunnan-k.jp/yunnan-k/attachments/article/618/20121215_23_02_amano_handout.pdf

http://www.yunnan-k.jp/yunnan-k/attachments/article/618/20121215_23_02_amano_handout.pdf

https://www.thebmc.co.uk/giri-giri-boys-on-spantiks-golden-pillar

というわけで、日本のアルパインは、絶滅危惧種ではありますが、すごいのです。

ピオレドール賞受賞者の半分くらいが北杜市にいるっていうのもすごいです。



Friday, October 27, 2017

”登山事故の法的責任を考えるページ” を発見

http://tozanjikosekinin.site/

非常に考えさせられるサイトです。現在、登山界では、ガイドへの責任が重く課される傾向にありますが、それは、一般的な”本格的登山”をしてきた登山者たちが受け入れるリスク範囲とは異なると思います。

例えば…『山靴の音』の冒頭に、八ヶ岳赤岳での遭難の記録が含まれています。これは本沢から入り、縦走路を上がり、赤岳とキレットの間で方角を見失った記録ですが、なんと同行者が凍死するまでの間に、丸一日晴天日があります。

つまり、著者の芳野さんは、動かない(動けない)同行者に、ピーカンの日に、ただ付き添っていただけです。つまり、救助依頼に走っていない…。この行動など、仮に芳野さんがガイドだとすると、おそらく法的責任を問われて、遺族に損害賠償を請求されても仕方がないかもしれません。本人も凍傷で指を失っていますが、この記録をありのままに、何もしなかったと堂々と記録に書けるというのが、時代的な背景で、今なら、とてもありえないと思いました。

■ 初心者への説明責任

私のいた会では、初心者の説明がなされないことが多く、それが事故へつながるであろう温床、となっていました。

例えば、本間沢です。これは、リーダーを任せられた沢の初心者がリードクライミングをまだ理解する以前の登山者で、リードせず、上からロープを投げて、一本釣りのように、後続を吊り上げようとした、というものです。本来、フィックスで済むところです。沢をする人はロープの出し方が変則的なので、登りだす前に全員が共通理解をしておく必要があります。それすら分かっていなかったのでしょう。

後日、確認しましたが、ロープを引いて行かなかったことについては、理解したようですが、この計画で、後続が非常に危険な目にあったことまでは理解していませんでした。

・ロープを引いて登らなかった
・易しい登攀でのプルージック登攀は、ラストはロープ末端を軽く引いていなければ、中間者は確保に全くならず、ロープがあるほうが登攀が困難化する
・重大事故が起こっている滝を事前にGoogle検索して行かなかった怠慢 そのため、ノーザイルで登ろうとした。遭難事例を調べなかった。
・ロープは当然、複数必要

以上が、本人がリーダーとして、また山行計画者として理解しておかなくてはいけないことでしたが、これはなされませんでした。

■ 仮に

仮にこの件で重大事故が起こっている本間沢で、仮に私のパーティで事故が起こったとすると、それはリーダーの過失です。何しろ、ロープ持って行きませんでしたからね、彼は。

しかし、一般に昔の山岳会だと、無知なリーダーについて行った、と言うこと自体も自分の責任と考えて、骨折でも、死亡事故でも、リーダーに責任は問いません。

が、この件など、司法の場に晒されたら、確実にリーダーは有罪でしょう。

■ 先輩にどこまで説明責任があるか?

このミスではリードとは何かを分かっていなかったことを指摘されて以後も、彼は、ビレイをマスターすることは、彼はなかったそうです。

「落ちる人を止めなければビレイは上達しませんよ」と言うと、「その通りですね。やっていませんでした」という状態です。

つまり、一つの事実(無知)を教えただけでは、その無知のために、どのようなリスクが発生したか?までは分からないのが初心者なのです。

しかし、そこまで説明する説明責任が、先輩にあるか???

と言うと、

無い

というのが一般的な山やの感性だと思います。

そんなことを説明してやらないと分からない奴は、山ヤに向いていない

というのが一般的な解釈でしょう。

こちらのセリフが、非常に的を突いています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

経験豊かなバックカントリースノーボーダー2人が、滑走はうまいが雪崩の知識のない仲間を1人連れてカナダのスキー場のバウンダリーに立っていた。バウンダリーを超え反対側の斜面を滑ろうとした経験者たちは弱層テストなどを行い、以下のような説明をこの新人に行った。
「今日のこの斜面はかなり雪崩の危険がある。しかし、オレたちは滑る。よく聞いて欲しい。もし雪崩で君が埋まったら、ビーコンがあるとは言え蘇生可能性の高い時間内には君を掘り出せないかもしれない、さらに、オレたちに心肺蘇生の実践経験はない。だから雪崩れたらまず助からないと認識してほしい。去年二人がここで雪崩で死亡した。捜索費用は数百万円だと思う。これが君に伝えられるすべてだ。もちろん、回れ右して、あのレストハウスでホットチョコレートを飲むのも君の自由だ。君自身の意思で決めてくれ。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

昔はこんなこと説明しなくても、誰でも分かっていたのでしょう。

しかし、今の時代は、山の常識は、どこにも通用しなくなりつつある、ということです。それは、司法の場であっても、例外ではなく、ということなのでしょう。

山ヤは、ますます自衛が必要になる、ということなのでしょう。新人を育てるだけでなく、自分自身の身を守るにも、説明力が試される時代なのです。

Tuesday, October 24, 2017

10月23日 富士山初冠雪

昨日は富士山初冠雪のニュースが流れ込んできた。今年も初冠雪は遅いようだ。

―――コピペーーーーーーーーーー

富士山が初冠雪 平年より23日遅く 

2017/10/23 12:00
初冠雪が観測された富士山(23日午前、甲府市から望む)=三浦秀行撮影
画像の拡大
初冠雪が観測された富士山(23日午前、甲府市から望む)=三浦秀行撮影
 甲府地方気象台は23日、富士山が初冠雪したと発表した。平年より23日遅く、昨年より3日早いとしている。
 山梨県富士吉田市によると、同市職員も午前10時半ごろ、肉眼で冠雪を確認したという。同市は2006年から、独自の観測に基づき「初雪化粧」を宣言しているが、この日は「雪がまばらで『お化粧』とはいえない」と宣言を見送った。
 気象庁の地域気象観測システム(アメダス)によると、23日午前10時の富士山の気温は氷点下3.3度だった。〔共同〕
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

こちらに、100年間の観測データがありますが・・・

https://news.yahoo.co.jp/byline/katayamayukiko/20170922-00076070/

昨年(2016年)は観測史上最も遅い10月26日でした

で、最遅記録から、3日しか変わらない…やっぱり温暖化でしょうか?
大雪があった、2014年も10月に入ってからなので、初冠雪と雪の相関関係は不明です…
雪が降ると、アイスクライミングは氷が雪に埋もれてしまい、あまり良い年ではありません。近年、正月の合宿で雪がないことが多いという冬山事情。なんとか雪を味わいたいものですが…。
■ 初冠雪日リスト
 
初冠雪観測日
2000年9月4日
2001年9月22日
2002年9月27日
2003年10月6日
2004年10月21日
2005年10月11日
2006年10月7日
2007年10月6日
2008年8月9日
2009年10月7日
2010年9月25日
2011年9月24日
2012年9月12日
2013年10月19日
2014年10月16日
2015年10月11日
2016年10月26日
 
平年9月30日
http://www.at-s.com/news/article/special/etc/258909.html より引用

Sunday, October 22, 2017

塩見に行くなら、リニア問題を勉強しよう

■ 塩見岳と環境問題

大鹿村は、美しい村として登山者に親しまれている。塩見岳の山麓の村だ。

大鹿村はリニアの着工には反対だったことで知られている。山間の美しい村だ。

リニアで貫通するのは南アルプス…
http://park.geocities.jp/jigiua8eurao4/SouthAlps/nature/probrem-nature.html

南アルプスは、活断層を持っており、いまだに年4mmも隆起している、生きている山なのだが、大丈夫なのだろうか?というのが山ヤ的には最初に思うことだ。静かな南アルプスが電磁波の山になってしまうのだろうか?

リニアに関する情報を以下のサイトから簡単にまとめた。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/242464
http://www.chikyumura.org/environmental/report/2015/01/01100000.html
https://matome.naver.jp/odai/2137957841569096101

■ 総事業費9兆円の史上最大のプロジェクト

日本のGDP 約528兆円(2015年)で、9兆円と言えば、1.7%に相当します。介護給付金と同じ規模です。ビルゲイツ氏やZaraの創始者の総資産額と同等。

平成26年現在、国・地方を合わせた長期債務残高は1009兆円。すでに、ビル・ゲイツの総資産の106倍に当たるのですが、平成27年度末には1035兆円になると言います。
(https://how-match.jp/bill-gates-assets/より引用)

もうため息しか出ませんね。年収528万円の世帯で、1009万円の借金があったら、普通は頑張って返済を考えると思います。

■ そもそも採算が取れない

「リニアだけでは絶対にペイしない。新幹線の収入で建設費を賄って何とかやっていける」(JR東海社長 2014年9月18日の記者会見)

トンネル工事で出る大量の土砂は、まだ処分先が確定していない。
大井川の水の量が1秒間に12トンから10トンに減る(年間で6300万トンの流量の減少)と推測されている。

東京-大阪間が開通した場合の平均消費電力は約74万KW。これは原発およそ1基分の電力にあたり、新幹線の3倍の電力を消費

リニア新幹線には、乗客が1,000名に対し、乗務員は3名

強い電磁波を受け続けると、行動異常や奇形などの増加が報告されている。

■ 地元はバラ色の絵しか見ていない

山梨県行政の試算は現実的か?

 甲府市議会議員の山田厚氏は、リニアローカル駅が予定されている山梨県で、駅周辺の公共事業をどう進めるかに関する報告があった。
 リニアは全席指定(定員1000人)で、ローカル駅には1時間に1本しか停まらないのだが、試算ではその発想が抜け落ちているという。山梨県の試算では、1日に1万2300人という、過剰な乗降客数の予測が立てられていることを山田氏は報告した。
 他方、リニアローカル駅ができることで、山梨に2600社の企業が立地するとの予測が立てられているという。これは単純計算しても7年間、毎日1社ずつ増加していく計算だ。また、経済波及効果は年商2420億円と予測。こちらも6年半もの間、毎日1億円以上増え続ける経済効果である。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/202709#idx-2 より引用。
■ 5分調べただけで、ダメダメだらけなリニア計画…
議論がないまま、すでに開始の方向になっています。
私は山梨県にいたのですが、地元ではリニア歓迎なのは、土地の買い上げで二束三文の土地が高く買い取ってもらえる人がいたり、南アルプススーパー林道の経験があると思います。地元では、「孫の代まで仕事がある♪」という手のかかる林道ですが…仕事はある。
こちらに芦安山岳館の記事がありました。
イラナイと声を上げた大鹿村はえらいなぁと思いました。長野と山梨では、補助金行政の在り方に対して考えが違うところがあるかもしれません。

こちらは服部さんと岩崎師匠の登山者のアピール集会のチラシ。http://minamialps.mygarden.jp/
http://minamialps.mygarden.jp/wp-content/uploads/2016/07/minamiapls_leaf.pdf

映画『メルー』一か月無料公開

なんと!映画メルーが一か月無料公開されるらしいですよ!

https://www.goldwin.co.jp/store/ec/contents/tnf/meru/

私は、もうDVDを購入してみてしまいましたが…とってもいい映画でした!

山におけるアパレンティスシップ(師弟関係)がどのようなものか、すごく分かる…。

映像も素晴らしく、クライマーが作った映画だけに、アイスアックス持ってジャンプしてピナクルに張りついたりとか、クレバスに腹セードで突っ込んだりとか、ピッケルで腕を切るとか、そんな変な設定はないです(笑)。

ちゃんと山ヤが見て、納得できる映画になっています。ぜひおすすめ!

Saturday, October 21, 2017

吉尾弘『垂直へ挑む』 & 芳野満彦『山靴の音』


■ 北岳バットレス中央稜の冬期登攀

この2冊はセットで読むと深みが増します。

というのは、若き日の吉尾さんが、新鋭クライマーとして北岳バットレス中央稜の冬期登攀を書き、同じ山行をフォローで登っている芳野さんも買いているからです。両者の視点で読むと、山行と言うのは、こうも違う印象を持つのだろうかと思うハズです。

吉尾さんは、本当に才能あふれるクライマーだったと言うことが分かります。また、当時すでに、凍傷で指を無くしていた芳野さんが、同パーティでフォローで登っているのですが、靴が脱げてしまいながらも、登っています。

記録を作り上げてきた登山者たちが、どのような心境で山に挑んできたのか?ということが分かる。

この本には、奥山章さんも出てきます。第二次RCCの時代の話です。

■ 寄せ集め

しかし、今でもメンバーを確保するのは、会をまたいで大変ですが、やっぱり当時から大変だったみたいです。

なんだ~と遠方各地からクライマーが集まらないと行けないのは普通のことなんだなーと。

なんだかちょっとホッとしました(笑)。

Friday, October 20, 2017

山は人間を区別しない

■ 山は人間を区別しない

皆さんは、山へ行くとき、遭難事例を調べてから、行っていますか?

私は、雪で山を始めましたが、最初から遭難事例を調べに調べて行っていました。行く山を選ぶところから、登山だからです。

なので、赤岩の頭で雪崩が起きたことがあるとか、地蔵の下りは、下降ポイントが見つけづらいとか、文三郎でも、滑落したら、すってんころりんで、300mと知っていました。

山に行くときに、山は、この人は初心者だから手加減しよう、とか考えてはくれません。

5歳が行っても、10歳が行っても、20歳が行っても、40歳が行っても、60歳が行っても、80歳が行っても、マイナス20度は、マイナス20度。変わることがない。

登山道の難易度は変わるでしょうか?変わるはずがない。誰が通っても、段々の高さは高いままだし、動きやすい石は動きやすいままだし、滑りやすいものは滑りやすいままです。

これをクライミングが含まれるバリエーションルートに置き換えると、遠いハンドホールドは遠いまま。欠けそうなハンドホールドもそのまま。小さいスタンスもそのまま。

背が高い人に届くハンドホールドに小さい人が届かないのは、普通のことです。逆に言えば、体が大きい人には入らないクラックにも、小さい人なら手が入ります。

雪崩れは人を選んで起こるのではなく、ただ起こるだけなのです。その場に人間がいれば、遭難。いなければ、ただの自然現象で、自然はあり方を人によって区別したわけではありません。

夜暗くなって、見えなくなる、ということも、同じ。視力が良い人にとってはなんともない暗さも、視力が衰えた人には、何も見えなくなるわけです。

だからこそ、山に行くときには、かつて、どんなリスクがその山にあったのか? 知っておくくらいのことは、せめてもの、人間ができるリスク管理です。

たくさんの人と一緒に行けば安全、とか、頼りになる人と行けば安全、とか、人間の側の都合によっては、山は動いてはくれません。

逆に、山の都合に、人間の側が合わせなくてはいけないのです。

よりたくさん、山の都合に合わせられるようになった人が、より優れた岳人、ということが言えると思います。

山の都合… 考えてみたことがありますか? 

山では、寒暖の差が激しい。これは山の都合。
山では、あっという間に暗くなる。これも山の都合。
山では、野生動物の危険がある。これも山の都合。
山では、土壌は滑りやすく、滑落や落石を起こしやすい。これも山の都合。

山と対峙する。そういう山は、心を浄化すると思います。そうでない山は、なぜか勝利の山になっています。

どんなにすごい山に登ったところで、一般市民の山は、しょせん、高所遠足エベレスト止まりなのですから、最初から、そんな競争の世界に足をつっこまない方が良いと思います。

心の山を続けていくということは…山の都合を学ぶ、そのプロセスにいる、と言うことだと思います。

山歴40年だろうが、山歴5年だろうが、山は人間を区別しない。

経験がないことは恥ずかしいことではない。

しかし、遭難事例を学ぶことすら、しない。それは怠惰です。怠惰な人が、そうとも知らず、危険個所に突っ込んだら?それは、事故ではなく、人災と言えます。

山を学ぶ、ということは、より安全になるということ。

山とお友達になる。それが一番大事なことです。山や的には。

Thursday, October 19, 2017

スタバで岩雪♪

■ 広背筋を鍛えています

今日は毎朝のヨガから帰ったら、山の友人からメールが入っていました。

私はがヨガで、広背筋を鍛えています。雪をしたいのに、ヨガ?って、ものすごく遠回りな気がしますけど(笑)、

 遠回りは近道、

というのが、山の世界の通例です。なにしろ、急ぐと、死が待っているのですから…。

私が知っている人で、自分が段階を追って成長していない、プロセスを端折って、実力以上の山に行っている、ということに自分で気がつく前に死んだ人が、もう3人もいますし、一人は大怪我で復帰に1年です…。

近年、温暖化が進んで、氷が発達せず、アイスルートはミックスクライミングのスキルも必要。ドライツーリングへ。

ドライは、かなりどっかぶりなので、足と背筋だけでは登れず、上半身の筋力、主に広背筋の筋力が必要です。

というわけで、私の現在の核心は、広背筋!フィジカルが先、ムーブが後、です。

■ 前鋸筋

そういえば、私の知っている、ツヨツヨクライマーって、みんな、前鋸筋すごい。ボクサー筋と言うそうです。わきの下の筋肉がすごいってことです。

前鋸筋について
http://futamitc.jp/blog-entry-746.html

チューブ・トレーニングしていたのに、引っ越してから、しばらくやっていませんでした…(反省中)新しい習慣を作るのは大変です(><)。一時期、断続があっても、続けていくことが大事、継続こそ力 です。

というわけで、線路は続くよ、どこまでも…って感じです。

すっかり寒くなったので、久しぶりに、ナノパフを着ました。

■ スタバで岩雪が読める!

今日は、新しく開業したビルに行ってみました。大きなツタヤとスタバが入って、無料で新刊本が読める、おしゃれなカフェつき図書館みたいなことになっています…

これじゃ、図書館も、個人系のカフェも打撃をこうむりそうです… 

芦安山岳館にある、素晴らしい山書のあれこれが詰まったオシャレなカフェがあれば、私としてはホントに幸せですが… 

誰にも発見されず、世界の果てに追いやられている山書たち…もったいないなぁと思わずには居られません。

館長が山で亡くなられたニュースはまだ最近のことでしたが…。

雑誌『岩と雪』 大型の図書館にも置いていません。バックナンバーがあったら、絶対に買い!です。

 

各地で初冠雪

谷川で初冠雪のお知らせが来たと思ったら、

北ア
南ア
八つ

も ことしは10/19でした。

雪早くないです???

Tuesday, October 17, 2017

Friday, October 13, 2017

本チャンでリードが取れるまで5年

最近、図書館で借りてきた、古い岳人(2007年9月号)に、菊地敏之さんが寄せた記事がある。

「いまどきの、なんともせっかちな人々」

という記事。記事の要旨はこうです。

ーーーーーーーー
物事を考えるスパンが短い。あれができたらすぐにこれ、というだけでなく、ある物事にも、たった一つの経験で、すべて納得し、すぐ次、という発想の人が、あまりにも多い、ということなのだ。



平日は週に1日はジムに行くとして、ビレイやそれに伴うクライミングのあれこれが理解判断できるようになるまで1年、それから外岩でもリードを始め、もちろん最初は支点のしっかりしたスポーツルートから始めて、やがて小川山などの「あれやこれや」が混じったルートのおおかたでそつなくできるようになるまで3年、さらにクラック系で3年、同時にマルチピッチルートも人に連れられて、20~30は経験し、トータル5年でリードが取れるようになるなんて、随分早いほうだとおもうんですけどね。



ジムでトップロープすら危うい状態なのにリードし出す人
ジムからいきなり外岩に向かう人
小川山などのトラッドルートに「ジムで5.11が登れたから」のノリでとりつく人
 (※全員見ました!)

など見ていて、ええ!?と驚かされるような人たちは、決して少なくない。



(10年、5年が)本当に必要な事なら、あるいはその時、自分では必要性が分からなくても、「必要だ」と実際に考える人がいるのなら、それが「クライミング」というものだと、思うのが普通のような気がするんだけど…。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■ 命題: 死なないアルパインクライミングとはどのようなものか?

一般登山から、”本格的”という形容詞がつく登山をするようになった初期の登山者にとって、もっとも大きな壁は、

死なない

ということです。 せっかちな人たち…というのは、昨今、登山者本人だけではなく、教えてくれる人も、そのような場合があります。

まぁ、リードしないと、ビレイが上手くならないので、リードと言うことが格段にトップロープよりリスクが大きいことを理解するのに、人工壁やボルトのスポーツルートで、リードへ進むことは正しいと思います。

が、そういう理解がない段階の登山者…まだ一度もリードしたことがない人…以外は、たぶん、どこが登れ、どこが登れないのか?と言う本チャンルートの判断は、慎重にするべきです。

例えば、ロープが出る山の初年度で、イキナリ、ルートグレード3級(現代は4級と言う人もいます)北岳バットレス四尾根は、急すぎます。

ちなみに大学山岳部はそのような急すぎる登山計画が多く、そのプロセスで命を落とす人も、結果として多いと言うことになっています。しかし、これは、体力面がその頃はピークであり、それを活かしきるということを考えると、トレードオフになりますし、登山界の伝統を考えると、ほぼ回避不可能な伝統と言えます。なにしろ、”記録”を作ってきたのは、そうした先鋭的な登山をする山岳部だったからです。したがって、大事なことは先鋭的な登山とそうでない登山…ほとんどの大人の人…を分けて考えることかもしれません)

上記の菊地さんの記事を分解しますと・・・

1)平日は週に1日はジムに行くとして、ビレイやそれに伴うクライミングのあれこれが理解判断できるようになるまで1年、

2)それから外岩でもリードを始め、もちろん最初は支点のしっかりしたスポーツルートから始めて、やがて小川山などの「あれやこれや」が混じったルートのおおかたでそつなくできるようになるまで3年

3)さらにクラック系で3年

4)同時にマルチピッチルートも人に連れられて、20~30は経験し、

5)トータル5年で(本チャンで)リードが取れるようになる

= 随分早いほう

さて、このブログでは、1)のプロセスについては、週2・半年と掲載してきましたが、大体においてあっていますね。

このプロセスでつまづく人が大変多いです。人工壁、通ってください!!この時期は、自分の身を守るための知識を蓄積する非常に重要な時期です。

これは山岳会に属していても、その会に1)の時期の人がいないとか、人工壁へ通っているメンバーがいない、となると、何年属しても、1)の時期に学ぶべきことが十分学べてないことになります。

新人の側が、「今自分が習得しなくてはならない技術はビレイや、クライミングに関するあれやこれやだ!」と自ら理解して、動かない限り、十分学ぶことができないかもしれません。

1)の時期をすっ飛ばして、2)の外岩時期へ突入した人を知っていますが、岩場で非常に危ないです。ビレイをマスターしていないだけでなく、リスク管理自体が、あやふやな感じです。危ないことが何かを理解はしていないと思うので、危ないことが危ないと分からない状態です。

3)クラックで3年、については、特に記述する必要はないと思います。

4)マルチ・・・については、現場を知る、充分な観察力を磨くと言うことだと思います。

私は大体、今20ルートを越えたくらいな地点です。

5)リードを取れるまで5年で早い方…

一般的にお仕事をしている大人の場合、すべての土日を費やしても、山に行ける日は限られます。そのペースでということであれば、山に行けない人ならば、もう少しかかるかもしれません。

■ 古い岳人礼賛

古い雑誌と比較して、最近の山と渓谷や岳人は、かなりハイキング寄りだと思います。

さらに、同じ岳人でも、読み比べると、やはり古い時代の岳人の方がアルパイン向けつまり山ヤ向けの記事が多いです。

もし、古い岳人のバックナンバーを置いているような、大型の図書館がある方ならば、ぜひ一度、古い岳人を手に取って見られることをお勧めします。



■ 関連記事

小刻みなステップで成長しましょう

Go Alp 登山学校の登山教科書が無料で読めるなんて!

水上宏一郎氏著、岩崎元朗師匠の監修で登山の教科書が発行されています。

山に登る人は、これくらいは最低でも、分かっておいて欲しい、と言う事柄が凝縮されています。

https://goalp.com/wp-content/uploads/2017/03/tozan_no_kyokasyo1.pdf
https://goalp.com/wp-content/uploads/2017/03/tozan_no_kyokasyo2.pdf

付き合い登山
まねっこ登山
ブランド登山

こうした種類の登山は、そもそも登山目的としない、ことが安全登山につながるようです。

■岩崎師匠の本

『間違いだらけの山登り』
ツーリスト、ハイカー、アルピニスト
沢登りの本
『岩崎元郎校長の決定版 登山学―ヤマケイ・無名山塾カルチャー教室リーダー養成講座より』


Thursday, October 12, 2017

『Climber's Bible』のすすめ

■ これ、絶対おすすめ!

この本は、厳冬期の上高地へ行った時に、みやざきホイホイがついているバイルが落ちていて、拾ったのですが、そのバイルの持ち主から教えてもらった本です。

Pumpという大手のクライミングジムのオンラインショップで購入できます。

http://pump.ocnk.net/product/8716

あの、超分かりやすい、瑞牆のトポを作ってくれた、内藤直也さんの著書?合同執筆のようです。

うーん、家にこれ一冊あればいいかも?というくらい、ザ・定番!的に、まとまっています。

これは、しかも、様々なトップクライマーが色々と意見を出して、クライマー自身の思考錯誤から出た経験から得た知恵を合わせて、書いてくれたそうで、まさに、アルパインでも誰かこういうの作って…というような本です。

ビレイとか、支点作りとか、定番的なものはありますが、実践で必要なのは、それ以上の知恵、で、その知恵は、運よくベテランと接することがあれば、盗んだりかいま見たりすることができますが、大抵のクライマーは、そういう機会はないままのようです。

あ、なんだか愚痴っぽくなりましたが… このクライマーズバイブルは、かなり買い!です。価格の割に情報量が濃いです。

もちろん、この本を必要としているのは、フリーのクライマーであり、ボルダリングをする人であり、スポーツクライミングでコンペに出るような人です。(要するにアルパインしか行かないと言うような人は、何を言われているか不明になってしまうような本です)

クライミングに少しでも興味がある人なら、なるほど、なるほどと、あっという間に読んでしまえること、請け合い。

私自身、最近クライミングには、あまり萌えていないのにもかかわらず、2時間くらいであっという間に読んでしまいました。

個人的には、この本で確立されている理論と、クライマーズインタビューにあった各クライマーの成長の軌跡がまったくかけ離れていること(笑)が印象的でした…。

みなさん、指が壊れようが、肘が痛みを発しようが、腰をやろうが、がつがつと登っていらっしゃいます(笑)。

ジムも外岩もないから、自宅に壁を作って登り込んで、いきなり世界レベルに躍り出る人もいて、もう桁違いの才能なんだろうなー。

外岩と違い、故障が付きものの、インドアクライミングですが(インドアにはインドアだけの偏りがある)、鈍行列車で行くべき…小さな成長を積み上げるべき…なんだろうなぁと思える本書でした。


Tuesday, October 10, 2017

まるっきり別人になった5歳児

■ 子供と歩く山?

今日は、友人の5歳の男の子と渓谷へ散策へ。夏にキャンプか、川魚のつかみ取りに、連れて行ってあげるという約束をしていたのに、秋になってしまった。

5歳の子供が、どこが歩けるのか分からなかったので、コースタイムで20分の”遊歩道”があるらしい、という場所にしたのですが…。往復40分なら、倍かかっても2時間、と思って行ったが、これが失敗。遊歩道はなく、渓谷沿いのトレイルは下地が岩盤だった。…ので、冷や冷やし通しだった。

ぼうやは自然の道を、とっても気に入ってくれて、途中の車道での「歩きたくなーい!」だらだら~、というのは、どこの誰だったのー?という、突然の、大張り切り具合だったのですが、いかんせん、道が転ぶことを許容しないタイプの道で…。思いっきりは、歩かせてあげることができませんでした。子供は頭が重いので、この道では、ヘルメットがないと危ない!と思い、早々に退散してきてしまいました。

久しぶりの沢はきれいでした。私自身がジャポンと沢に入って遊びたいような楽勝な歩き系の沢でした。滝もありましたが、高低差2mくらい。

遊歩道って聞いていたのになぁ…トホホ。という反省はありましたが、楽しい一日でした。色々、考えさせられました。

■ 適性

小さいころは、親を始め、色々な大人が、その子の適性や才能は何かなぁ?どんな子なのかなぁ?と見守ってくれていると思います。

この子もそうで、男の子だから、活発ではあるけれど、スポーツが得意というよりは、ひょうきんで外向的、とってもものマネが上手で、甘えん坊さん。カメラをむけると変顔を作ってくれます(笑)。人を笑わせるのが好きなんですかね。

お母さんが驚いたのは、普段、外がキライなのに、渓谷に行ったとたんに、生き生きと元気に歩き出したことです。道をどんどんと先に行ってしまう。大人の足でも速いくらいでした。がつがつ歩いていました。大人でも、登山二日目などは、足が慣れて、思わずカモシカ足になってしまうことがありますが、そんな感じ。

でも、彼は登るのが好きと言うのとは違うみたい。登山ではよく、水平と垂直は、分けて考えられますが、緩やかな傾斜や自然の石が積み重なった登山道を歩くのは、とっても楽しいみたいでしたが、目の前の大きな岩には興味がないので、岩壁に萌える、というのは、また別の才能みたい。

私も岩山を見て、登りたい!という気持ちには、そんなにならないのです。それよりは、「こんなところ、登れるのかしら?」「あら、登れた!」というタイプです。”あそこはどんなところかなぁ”というのに、興味があるタイプです。好奇心型。

高みに登りたい!という気持ちは少ない一方、ワイルドな道は、少々荒れていても、行ける行ける~と感じるので、そうした直感的に行ける歩ける、と感じる感性は、5歳も大人もそう変わりがないのだ、ということに気が付かされました。

子供は子供なりに、自分のカラダの届く範囲、距離、お尻が持ち上がるか、お尻をつけてしゃがんでおりるか?そんな計算を自然にしているようです。そういうのは本能的に分かるものなんでしょうね。それはヨガで、お尻が重くて上がらない、というのが感知できる感覚と一緒かも。

5歳の子には、今日の渓谷沿いの道は、岩盤の上で濡れて、落ち葉が滑りやすかったですが、ちょうど良い困難度だったみたいです。ヘルメットさえあれば、どんどん歩かせてあげたかったですが、沢沿いは、落ちたら一巻の終わりなところもあるので、もう少し大きくなるまでは、沢っぽい道や尾根道は難しいでしょう。ある程度、道幅の広い登山道が最適だと学びました。少し林道っぽい感じのところなどです。山梨だったら、太刀岡などは子供が歩ける遊歩道って感じでした。

ただ、彼にとっては、とても新鮮な経験だったらしく、時間が余ったために、連れて行った遊具のある公園での遊び具合とすると、だいぶハッスル度が違いました。

子供と登山をするのは、子供を背負うことができる2歳くらいまでは大人が完全に安全を担保しているのでいいのですが、その後はもう少し大きくなるまで、コースの選択が少々難しいかもしれません。なにしろ、子供は頭が重いので、こけたときのダメージが…。

・決して滑落がありそうにない、ゆるやかで広いコース
・多少の段差で体を動かす楽しみが得れるコース

と言う風に考えると、関東なら美ヶ原くらいがちょうど良いかなぁと。

今日はそういう意味では収穫でした。この子も都会の子なので、単純に自然の中が好きなのかもしれません。自分の居場所を見つけた、みたいな感じでした。

山梨では、森の幼稚園と言って野外保育が有名でした。とっても子供たちが羨ましいなと言う気持ちがしました。

友人と色々話をしましたが、私たちが子供のころは、町の子でも、結構、田んぼとかで遊んでいて、自然体験をしていたように思います。

今の子供はそういう自然体験は、ちょっと難しいかも? 子供なりにテクノストレス?を感じているのかも…?

今日は、アキちゃんが、まるっきり別人のようになったのが印象的な日でした。

どんな子にもその子の得意なこと、輝くことがあるはず!

それを見つけてあげるだけの時間が親に取れないということがない社会ができたらいいなぁと思いました。難しいことですが、その子のやりたいこと、を見つけてあげれたら、いいですね。

親ができることは、本人が見つけることを邪魔しない、という程度のことかもしれませんが…。

≪参考≫
森のようちえん



秋の富士山のおススメルート

富士山は、多くの人が登りたい山ではあるが、山登りの初心者にはまったく向かない。

もし、秋の山にリフレッシュ登山のために登りたい、ということであれば、秋には富士山周辺には、もっと素晴らしい山がたくさんある。富士山はリフレッシュになる山では、そもそもないかもしれない。

もし、チャレンジ登山のために登りたいということであれば、何かのついでではなく、富士山に登るべき体力を地道に積み上げてから、である。何かついでで、立ち寄ったから、と言って登るような駄賃の山では富士山はない。季節を問わず高所への順応が必要だ。

日本一の山だから、登ってみたい!という未知との遭遇登山の場合のおススメ時期は、夏ではないかもしれない。というのは、夏山の富士山は、お祭り騒ぎであり、山ではなくて、人間観察の場になってしまうからだ。

どんなところか知らないから行きたい!というのは、別に悪いことではない。ので、それなら、それなりに調べておかなくてはならない。

富士山は、実は調べれば調べるほど、山好きにとっては、そそられる要素が少ない。

・一本調子の単調な登り
・景色がない
・強風や急な天候変化は独立峰特有で予想しがたい
・混雑
・何かあった時に退避できる場所がない

純粋に修業っぽい山で、あまり楽しみの要素がない。

したがって、登山の初心者にはまったく向かない。

が、敢えて富士山…というのならば…というので、初心者でも登れる、富士山のおススメルートをご紹介。

1)お中道

秋のお中道は紅葉を愛でる山として、定番だ。

2)宝永山

宝永山は、下から登れば、山らしい植生を楽しめた上、山頂付近の火星のような景色は、一見の価値がある。秋はきのこシーズン。キノコでも有名だ。

3)富士山を見る山

富士山はよく登る山ではなく、見る山と言われる。その点、秋空は、空気が澄んで、富士山の素晴らしい雄大な景色を眺めることができるので、登山の醍醐味として、やはり、秋なら富士山を見る山を薦めたい。ハイキングレベルのやさしい山から、長期の縦走まで、富士山エリアには、あらゆるニーズに答えられる山が揃っているからだ。

 ・三つ峠(カチカチ山ロープウェーから) 靴がなくても行けるくらい
 ・三つ峠 表参道から 三つ峠駅から達磨石経由で屏風岩へ
 ・三つ峠 クライミング

 ・本社ヶ丸から三つ峠、ロープウェー駅へ 20kmのガッツリ縦走
 ・釈迦が岳から縦走 ガッツリコース
 
これら以外にも歩きがいのあるコース満載。

■ 山ヤの富士山 

バリエーションをやるような人にとって、富士山は、高所順応の場所で、大体5月の雪が緩んだころに行く場所だ。

5合目ぐらいで前夜泊してから行くと、登りでの負担も少ない。山頂には早めに到着し、お昼寝をして、高所に体を慣らしておく。

あとは春のスキーだろうか。これはそれなりの滑走力と雪質を読む力が必要と思うが。

富士山ほど、山の初心者と山をよく知る人が、両極端に別れる山はないなぁ…と、いつも思う。

同じ山に登っていても、登る時期が全く違うから、両者は出会うことが全くと言っていいほどない。

「なんで富士山に行きたいの?」 

なぜ山の初心者は皆、富士山に行きたいのだろう… 私にとっては、どちらかというと、仕方なく行った富士山なので、だいぶ疑問である。 

Monday, October 9, 2017

塩見小屋のこと

こちらは、塩見小屋のFBからの転載です。より多くの方に見ていただくために転載させていただいています。がんばれ、塩見小屋!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
裁判関係

最近見てくれた方も多いので、簡単に裁判にならざるを得なかった経緯を書かせてもらいます。

塩見小屋は50年程前、初代の方が建設し、10年?程運営していたが、辞めて権利を長谷村に譲渡した。

2年代目は2年程で雪による倒壊で辞めた。

3代目が本格的に塩見小屋を自費で再建したが、国との借地権の関係で、長谷村に譲渡し、形だけの委託を35年程行った。長谷村も形だけの委託は理解しており、対外的に村営と言う事もなく、基本「手を出さなければ、口も出さない」という方針であった。

そして、私が平成18年4代目として、3代目と同条件で塩見小屋を継いだ。因みにその前のアルバイト期間は7年である。

その後、直ぐに伊那市との合併があり、山小屋は全て指定管理者の伊那市観光(株)の傘下に入る事になった。

私自身(会社等を作って)が指定管理者になれないか模索した(南アルプス市は同方式)が、その選択肢はないと伊那市職員に言われた(この点も今、思えばおかしい。)

そして、観光(株)の傘下に入るので、突然使用料を払えと言われる。

私としては、何もしていない観光(株)に払うのはおかしいと主張し、職員も理解を示してくれたが、上層部が納得しないとの事で、1年以上話し合いは続いたが埒があかなかったので、当初言っていた使用料を減額し、払う事にした。

使用料を払ってからも、伊那市や伊那市観光(株)が良くも悪くも関与はしてこなかった。勿論、修理等も私の方で負担していた。

そして、建て替えの話が浮上し、建て替えが始まるが、今までの契約では問題ないのかと再三伊那市などに指摘し続けたが、回答を得られる事はなかった。

その中で建て替えが議会承認され、本格的に始動してしまった。私としては、契約書の変更がされない中では、その建て替えに参加していく事が、一番良い方法に思われた。

そして、設計も基本、私の意見が取り入れられ、国立公園で制約が大きい中、なんとか、小屋の基本方針は決まった。

工事中も登山者があるので、私の方でそこの管理をしながら、工事の職人の面倒もみる事になった(有料で)。

工事は2年の歳月が掛かったが、その間も規模を縮小しながら、小屋運営をしていく事が決まった。勿論、今まで通り伊那市等からの補助は一切なかったので、私の方で赤字を被った。

その中、工事2年目は突然小屋運営を辞めて、工事に専念したいと、伊那市や建設会社から言われた。この時、登山者にはトイレも貸したくない(敷地に入ることを禁止したいとして)とも言われた。

売店とトイレは私の方で管理するとの事で、行う事が出来たが、宿泊業は基本出来なかったので、赤字は膨らんだ。

そして、工事が終わり職人が下山した後も、雪対策等の小屋閉めを1ヶ月程掛けて(この費用も私の方で負担した。)、11月6日位に下山した。この間、伊那市や伊那市観光(株)からの連絡は一切なかった。

契約書の見直しは工事に入ってからも再三、問題ないのかと問いただしていたが、回答は得られなかった。

下山して、直ぐの11月16日に伊那市役所に呼び出され、そこで、初めて伊那市長から塩見小屋は公募にすると突然言われた。

そして、私の荷物が邪魔だという理由で下ろしたから、400万円請求されている。
これが簡単な経緯です。文章は長くなってすみません。最後まで、読んでくれた方々、有り難うございます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これを読んで納得いく人がいるんだろうか…。形だけの委託、ということも受け入れてはいけないですね。 なんとなく、インスボンの白雲山荘で起きていることと似ている気がしました。

白雲山荘は今年から食事提供ができなくなっているからです。

Thursday, October 5, 2017

ピオレドール賞の評価ベース

ピオレドール章(登山界のアカデミー賞)の評価ベースとして求めるもの、という文章を見かけた。次の項目が掲げてある。(リスト化当方)

1)登攀スタイル
2)探究精神
3)傾倒の度合い
4)技術的困難度
5)危険性の回避
6)最小限の道具
7)パートナーの尊重
8)現地の人や他チームの尊重
9)環境へのローインパクト
10)次世代の尊重

■ 山登りの価値観

ピオレドール賞の存在感は一般登山者の間ではかぎりなく薄い(笑)。ほとんどの登山者が知らない。

けれども、山登りの人は、なんとなくでも、世界の高峰があり、先鋭的な登山の世界のことも、遠くのどこかにはある、と感じていると思う。

山に世界で伝統的に価値があるとされてきた考え方に触れることは、とても重要なのではないだろうか?

■ 項目

登攀スタイルとは?極地法やアルパインスタイルといこと。手短に言えば、大人数か、少人数か。

探究精神…探究心と言うのは冒険的要素と言うことだと思います。未知の要素。

傾倒の度合い、と言う項目があるのには、驚きました。傾倒している方がより良い、ということらしい。

技術的困難度… 難しいほうが価値があるのは、普通ですね。

最小限の道具… 道具が少ないほうが良いと言う価値観が伝統的にあります。なので、ウルトラライトな考え方は山の伝統とも一致すると思われます。

パートナーの尊重… セカンドも大事ってことでは(笑)。セカンドを大事にしましょう。

現地の人や他チームの尊重…我先に、というのは、無しです。

ローインパクト…当然ですね。しかし、現代はハイインパクトに偏り中です。山小屋はハイインパクトです。特に稜線にあれば、ハイインパクトです。テントはローインパクト。大人数はハイインパクト、少人数はローインパクト。

次世代の尊重… 忘れさられていることが多いような? 冒険の余地を残すと言う風に書かれていますが、開拓の余地を残すという事と思います。また手つかずの自然を守っていくということにもつながると思います。




Types of Climbing Explained

Wednesday, October 4, 2017

実感のない知識から、実感のある知識へ

■ 暗闇の中で滑落がどうやって起こるか?

昨日はこのような遭難事例を発見した。
 
http://blog.livedoor.jp/castaway/archives/50661739.html

こうした遭難事例は、明日は我が身として、一緒に登山をする仲間とディスカッションの題材にすると、色々と臨場感のあるディスカッションができると思う。

上記サイトから、一般的に登山者がダメだと言われていること、や、判断の分かれ目を取り上げた。

≪ポイントのまとめ≫
・予定より少し時間が押していた
・が、事前の計画どおりに山行を続けることにした
・「ガス欠(シャリバテ)」に陥った
・ガス欠はよく話には聞いていたが、自分ではまだ経験したことがなかった
・非常食を持っていなかった
・ヘッドランプを持参していなかった
・暗闇のなかを、登山道に沿って歩く 
・沢筋に下りた
・ツェルトを持っていなかった

≪著者の感想≫
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どれもこれも、山の本には必ず「持っていけ」と書かれているものです。「知らなかった」はありえませんし、僕自身、これらが「重要なものとされている」ことは当時もきちんと認識していました。でも残念ながら、それらは実感の伴わない、非常に薄っぺらい知識でしかありませんでした。それゆえに、簡単に軽視をして…………結果、死線の一歩手前まで行きました。
ーーーーーーーーーーーーーーー 上記サイトより引用ーーーーーーーー

■ (実感の伴わない知識) を (実感の伴う知識)へ

上記の遭難例は、一般的な山ヤさんからすると、

・装備不足 (ヘッドライト・非常食・ツエルト)
・沢を降りるは絶対にダメ
・夜間でライトがない場合、動かないのが鉄則
・一晩のビバークで自力下山だったら、遭難とは言えない

一般に、”死なない程度の痛い目には合っておいた方が良い”と山の世界では言われています。また、この方は自力下山しているので、あまり問題と考えられることはないかもしれません。

装備不足、は一般登山者にも多くみられるミスです。特に地図とコンパス。

装備不足の”装備”をなかなか使う機会がないせいです。装備不足で参加する一般登山者が、

(実感の伴わない知識)から、(血肉の通った、生の知識)へと転換する経験、

というのは、一歩上の段階へ進まないかぎり、そうそう無いのかもしれません。

一般に登山学校のカリキュラムを見ると、(ビバーク訓練)や(夜間歩行)がカリキュラムされていることが多いです。

これらは、明らかに、遭難した際のピンチに備えさせるためと分かります。

沢登りも、年に1、2度計画されていることが多いですが、一般縦走で遭難した際に、沢筋を下ってはいけない、という知識を授けるため、とも受け取れます。

■ 登山活動とは、実感をする活動と言えるのかも?

そう言う風に考えると、登山の楽しみは、実感の伴わないバーチャルリアリティの世界から、本当に血肉の通った、生きている人間のカラダを通して、生命力そのものを実感する喜びを感じる活動と言えるのかもしれません。

自分の肉体の中に、命が宿っていることを、つくづく実感する、ということです。

悪天候での、雨・風、からスタートして、暗闇、寒さ、暑さ、飢え、乾き、不便、そういうものが現代ではすべて排除されてしまいました。

逆に言えば、生きている実感、というものが得づらい時代かもしれません。

そういう現代に生きる私たちは、無意識に生きている実感を求めて、山に行くのかもしれませんが、実感している間に死が現実のもの、となってしまう人が後を絶たない。悲しいですね。

ちなみに転滑落の備えは、登攀力、ということになりますが…。登攀力って上がれば上がるほど、さらに危険が大きいところへチャレンジ、ということになり、なんだか、いたちごっこだなぁとため息をついています。

≪参考サイト≫

ビバーク方法について

Monday, October 2, 2017

秋山の代表的な気象遭難 山へ行く前に遭難事例を調べる

■ 白馬岳の遭難のリンク集

山岳ガイドに有罪判決 白馬岳4人死亡「軽率な判断」
http://jack0904.blog.fc2.com/blog-entry-205.html

赤沼さんの記事
https://blogs.yahoo.co.jp/hmwbh354/13313895.html

豊後ピートさんの記事
http://blog.goo.ne.jp/bongo-pete/e/a01b1b3c1ae31b1ab5ae499090e2e8f2

その他
http://minminsroom.cocolog-nifty.com/webdiary/2006/10/post_d322.html

https://rindow33kai.grupo.jp/blog/1049633

http://www.naganogakuren.net/scrap/2013/2013.12.21%83K%83C%83h%8F%91%97%DE%91%97%8C%9F.htm

http://yamayakenta.blog51.fc2.com/blog-entry-263.html

http://arubobo.air-nifty.com/kissasitu_hanamuso/2006/10/post_6631.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/720.html

■ 論点まとめ

この遭難は、気象遭難ということで決着している。この遭難以外にも白馬岳は気象遭難の事例が多い。

気象は本当に各、土地土地で違うものだ。だから、遠征の場合は、地元ガイドのほうがより、その土地にあったガイドができると思う。

・清水尾根を一日で登る計画自体に無理がある。通常、下りに使う。
・明らかに冬型気圧配置になるのが分かっている
・予備日
・装備不足
・帰りの飛行機便も決めてある
・計画の中止や変更がしづらい

■ 計画の無理

気象遭難と言うことで、気象判断のミスについては、一致した見解が得れている。

一方、計画の無理については、特に精査され、結論が出た気配がない。

計画の無理、というのは、要するに無知ということである。その無知は、計画立案者側の無知と、参加する側の無知ということだ。誰だって自分に歩けない無理な計画と分かっていれば、参加しない。リーダーが自分には無理な計画を示したら、辞退しましょう。あるいは、計画には参加資格を明記しましょう。この場合だったら、標高差2000mを〇〇時間で登れること、などです。

ということで、この遭難は、この時期になると必ず語られる。秋の山は、つるべおとし。

ヘッドライトの携帯は夏山よりも重要だ。レスキューシートの携帯も同様に夏山より重要。

蜂は今年は当たり年らしいから、黒は厳禁。藪山山行は蜂が収まる11月の気温が下がったころまで待つべし。

今日は穂高で初雪、下界は大雨。

今年は、キノコが凶作らしい。九州ではクリは不作でカメムシはパンデミック状態。自然は毎年違うものなのだから、毎年、発見の楽しみを味わう、そんな山をしたいものだ。

苦言になるが、山へ行く前は、その山の代表的な遭難事例くらい調べましょう。

私は白馬主稜に憧れましたが、天候に不案内だと自覚があったため、わざわざ小屋にバイトに行ったくらいです…。

天候次第で、山は天国にも地獄にもなる、ということくらいは、ハイキング時代に理解力を培っておく、と言うことが大事だと思います。

人工壁の安全管理

■ 大前提

確保について、今までの経験から本当に危険だなと思う…のは、一般に大前提を教えられていないため、のようだ。

大前提1)確保とは、相手の命を預かること、です。

大前提2)確保ができないとクライミングには連れて行けない。クライミングとは、クライマーとビレイヤーが互いに安全を守り合うものだから、です。

大前提3)スポーツクライミングの確保は、落下係数が0.2(要するに衝撃が軽い)で済むように計画されています。つまり、より安全ということです。ロープも人工壁用に太いものを使います。

いわゆる外岩=フリークライミングでは、落下係数2もあり得ます。ので、より危険であり、より高い確保技術が必要になります。

同様に、いわゆる、アルパインクライミングでは、さらに危険が増え、対応する力も別に必要です。したがって、別の種類のクライミングをする度に安全について再考する必要があります。

大前提4)確保理論を読みましょう。ビレイ器とロープ径のマッチングは重要です。人工壁では頻繁な墜落が前提となっていること、距離が短いため、10.2mmから、9mm後半の径のロープが一般的で、施設によっては8.9mmのシングルロープは使用禁止となっているところもあるそうです。

このように人工壁であっても、ある程度知識のベースがなければ、安全にクライミングを行うことはできません。ちゃんと予習してきましょう。

■ スポーツクライミングでの確保

大前提: 制動手は死んでも離してはいけない。
     確保器と制動側の屈曲が、墜落を止める力の法則である。

1)登り始め 1ピン目を取る前の挙動

クライマーが登り始めたら、1ピン目を取る前までは、スポットをするのが通例です。1ピン目以前は、ノービレイと同じだからです。クライマーの真下に立ち、クライマーが墜落したら、着地を補助します。

しかし、スポットの仕方が問題です。大事なのは頭の保護です。そのためには、頭が後ろにならないように、背中の部分を押してやったり、腰を誘導して、足から着地させるように、誘導します。

2)1ピン目~3ピン目

1ピン目を取った後、グランドさせたら、それはビレイヤーのビレイミスです。

1ピン目ではクライマーの真下に立つことはできません。しかし、ロープが出ていると、墜落を止めることができません。ので、妥協点として、壁際の1ピン目を避けた位置に立ちます。

1ピン目から3ピン目までは、決して気を緩めてはいけません。ロープは出しすぎてはいけないと言う意味です。墜落した場合にグランドする可能性が高いからです。

一般的に、1ピン目で落ちるようなクライミングをしてはいけないと言われています。3ピン目辺りまでは、絶対に落ちない自信があるようになってから、クライマー側もとりつくべきです。落ちて比較的安全なのは、それ以上だからです。

3)基本的に壁から離れない 妥協点を見出す

基本的に、1ピン目とビレイヤーまでの距離が離れれば離れるほど、オイラーの法則が働いて、ロープは出しにくくなります。

とはいえ、人工壁ではビレイヤーはセルフビレイを取っているわけではなく、前後に体を動かす自由があります。ビレイヤーが壁から離れるとクライマーが良く見えます。壁に近づくと、近づいた分ロープが出るので、ロープの繰り出しを素早くすることができます。

しかし、1ピン目からのロープの屈曲が90度になってしまうほどに壁から離れるのは離れすぎです。

人間のカラダは横に引かれる力には弱く、踏ん張れない可能性があります。踏ん張れなかった場合、1ピン目からビレイヤーまでのロープの長さ分、墜落でロープが出ることになり、かりにそれが地面までの距離よりも長かった場合、クライマーはグランドしてしまうことになります。

しかし、クライマーが見えないと、クイックドローにロープを掛ける繰り出し動作が見えず、ワカラナイ訳なので、繰り出しが遅いとロープを引っ張ってクライマーを引っ張り落とします。

と言う訳で、壁からどの程度の位置にいるか?というのは、その場その場で判断し、最適解は妥協点、であることが多いものです。その妥協点は、経験が増えれば増えるほど、多くの場合、多くの人が一致することが多いです。

体の小さい軽いビレイヤーはあまり下がることができない場合が多いです。

4)3ピン目以降から、終了点まで

クライマーの動作を邪魔しないよう、素早く繰り出します。テンションと言われたら、後ろに下がってテンションします。

素早い繰り出しのためには、確保器とロープの径がマッチしている必要があります。スポーツクライミング(=人工壁)で使うロープはふと目が多いこと、セカンドの確保機能は必要ないことから、私は、スタンダードなバケツ型ATCを使っています。ルベルソ4は細い径のロープ=ダブルロープ向けです。

グリグリは使用禁止のクライミングジムもあるくらいです。持っていますが、使用したことがないので、出番がありません。

5)終了点にて

終了点ではクライマーは、終了点にロープを掛けます(2点)。その動作にしばらく時間がかかりますが、その後はテンションと言うはずです。ビレイヤーは、それに備えておきます。つまり、すぐ後ろに下がるつもりでいる、ということです。したがって、これ以上、下がれないほど後ろに下がっている位置だったら、ダメってことです。

ロープのたるみがあれば取っておきます。

6)ローワーダウン

ローワーダウンでは、スキルがうかがえます。上手なローワーダウンには、よどみがありません。ローワーダウンでは、少しずつ、前に歩いて、1ピン目とビレイヤーの間のロープの屈折を取ります。屈曲が大きいと摩擦抵抗が大きく、ロープの痛みも激しく、流れづらいからです。

とはいえ、流れ過ぎも良くないですので、一定のスピードでうまく流れるような、自分にとって最適の状態を発見するという慣れが必要です。

ローワーダウンでは体重差により、ビレイのスタイルも変わります。体重がクライマーより重ければ、前に引かれコントロール不能になるリスクは非常に小さいですが、逆に、体重が軽ければ、そのリスクに備えておかなくてはなりません。自分よりも重いクライマーをビレイする場合は、足を前の壁に突っ張るなど、前に引かれた場合の対応をあらかじめ考えておく必要があります。

また、一般的にローワーダウンは両手で制動側のロープを握ります。制動していない上のロープに手があっても仕方ないです。空いた手をどうするかということですが、片手でも十分制動できるのが一般的な男性ですので、その手はどう使っても良いです。一般的には、両手制動側のロープを持てば、さらに制動がかけやすくなるというわけです。

ローワーダウンでいったん、ロープがするすると流れたら、それを止めるのは至難の業です。手がロープバーンして、焼けどしてしまいます。したがって、ビレイグローブは必携とすべきです。特に初心者の場合は、ロープを流してしまう確率が高いため、グローブは必携です。

ロープが流れてしまうミスについては、コミュニケーションのミスが大きいです。テンションと言われたら、テンションしますが、下のビレイヤーに声が聞こえていない場合も想定し、確実にテンションを感じてから、クライマーは体重を預けるべきです。ビレイヤーは、終了点間際でのよそ見は厳禁です。

避けるべきビレイのまとめ
・だらりんビレイ
・パツパツビレイ
・よそ見ビレイ
・制動手を離しているビレイ
・ロープの径と確保器の相性が悪いビレイ
・壁から離れすぎたビレイ
・ビレイグロープなしのビレイ
・注意力散漫なビレイ
・テンションと言われたときのテンションが遅いビレイ
・ローワーダウンがスムーズでないビレイ

■ 確保器の保持の仕方

確保器は、ロープが入る側、制動手の側の屈曲で、制動しています。確保器の取扱説明書にその旨書いてあります。

一番大事なことは、その点をよく理解しておくことです。角度、が重要なのです。これはオイラーの法則、という力学法則です。難しいサイン、コサインの数式が出てきますが、大事なことは数式の理解ではなく、

 確保器の屈曲がすべて

というポイントがしっかり理解できているかどうか?です。確保器を上下反対でセットしている人がたまにいます。

もし、その人が「このロープは太いから、制動が効きすぎて確保づらいな、ロープが出しづらいから、摩擦を減らそう」と思って、上下反対にセットしたなら、それは正解です。

しかし、クライミングの安全はビレイヤーとクライマーの相互で守るもの、という原則から、確保者は、確保器を上下反対にセットしたことをクライマーに告げ、了承を得るでしょう。

そうではなくて、ただ単純に確保器が上下反対だった場合は、ただのセットミスです。制動力は少なくなっていますから、「確保器が上下反対ですよ」とクライマー側は指摘してやらなくてはなりません。

■ 反転防止機能つきカラビナ

カラビナの基礎知識ですが、一般的に、メジャーアクシスで使うとカラビナの強度は22kNまで耐えれるように作られていますが、マイナーアクシスで使うと、たったの7kNです。ですので、カラビナが反転して、マイナーアクシスに力がかかると危険です。

それを防止するために反転防止用のカラビナが販売されています。こうしたカラビナを特に経験が浅く、コントロールの悪い初心者ほど使うべきです。

■ 安全環

ロープと体を結ぶカラビナには、安全環付を使うと言うのが基本であるため、ビレイ器をぶら下げているカラビナも、安全環付を使います。大事なのは、

 ・安全環がしっかり閉まっていること。
 ・ロープと干渉していないこと。

です。ロープと干渉するようなセットはセットが間違っています。また安全環付のカラビナにはいくつか種類があります。オートロックは便利ですが、雪では使えません。また動作に慣れや指の力が必要です。

ちなみにスクリュー式の安全環付カラビナが基本形ですが、スクリューをきつくしめすぎる必要もなく、最後に一回しは不要です。きつく締めすぎると解除が難しくなります。

解除しづらいと余分な時間が喰うことになります。

■ アンザイレン

アンザイレンは基本的にエイトノットで、末端処理を行います。変形ブーリンで登る人は、ほぼいなくなりました。エイトノットをほどきやすくするために、末端を戻すのは、NGです。

アンザイレンはタイインループに行いますが、エイトノットが結べない人が増えた現代では、ガイドさんのクライミング講習会では、既にラビットノットで結ばれたロープの末端に、安全環付カラビナが2枚ぶら下がっていることが多いです。その場合、ビレイループに掛けても大きな問題はありません。しかし、これは、あくまでエイトノットを覚えていない人のための処置です。

アンザイレンのベストプラクティスは、エイトノット+末端処理をタイインループに結ぶことです。

■ パートナーチェック

クライマーとビレイヤーは登りだす前にパートナーチェックを行います。これは双方が安全を確認しあい、互いに互いの安全を守り合うためです。

一般的傾向として、往年のクライマーになるほど、パートナーチェックはおろそかになっていく傾向があります。理由は、1ピン目をかける前までは、ビレイがあっても、なくても一緒だからです。つまり、1ピン目を掛けるまでで落ちてもクライマーの責任、1ピン目かけるまでの時間で、ビレイヤーは確保器をセットしてくださいね、というわけです。

往年のクライマーは、往年だけに、今更やり方を変えるのは難しいですから、その意図は汲んで、こちらは、それだけしっかりと安環を締め、確保してあげましょう。

一般に人間は、自分の安全管理はおろそかだが、相手の安全には、より大きな心配をするもののようです。

自分の安全管理がおろそかな人には、より多く観察や注意を向けてあげる必要があります。

■ 1ピン目を掛ける前のロープ長

1ピン目を掛ける前にどれだけロープを出しているか?それは、(ビレイヤーから1ピン目まで)とちょうど同じくらいの量を出しておくのです。

したがって、1ピン目は人工壁では、一歩か2歩上がって(登って)、クイックドローにロープセットくらいの距離ですから、2m~2.5mくらいでしょう。これが短すぎるとと、繰り出さねばならないし、3mも出していて長すぎると、手繰らねばならないし、ちょうど良い量を確保器にセットしているか?どうか?と言う点も、慣れがうかがえる部分です。

慣れていないクライマーなら、用心の量を多めにしないといけません。こうした動作を見ても、慣れが重要だということが分かります。余談ですが、慣れということは、自動思考、ということですので、慣れている人にどうしてこうするのか?と質問しても、答えがすぐには出てこない場合が多々あります。

■ その他危険行為

ビレイ器の持ち方が間違っている場合がある。親指が自分側を向く=肘が上がっているような制動手の保持は、ビレイヤーの手の皮膚が確保器に巻き込まれる可能性がある。

また、テンションの時にロープにかがみこむように座る(ロープに自分の頭が近づく)と、頸動脈をロープがこすれてしまう位置関係となり、ローワーダウンの擦過で、頸動脈を切る、と言う可能性もある。

髪の毛等をロープに巻き込んでしまうと、頭皮が剥がれる大けがになると、『生と死の分岐点』には書いてある。

■ クライミング

初対面の人とのクライミングでは、相手のビレイを信用しないようにするのがクライマーの暗黙の了解です。

したがって、クライマーはビレイしてもらう人に指示を明瞭に出さねばなりません。

またリスクが大きいため、安全マージンは大目に採って、絶対に墜ちることのない課題を選んで登ります。

1)パートナーチェック 

相手の安全環が締っているか、よく見る。確保器が上下反対にセットされていないか?

2)落ちないルート選択と確実な登攀

クライマーは自分が決して落ちないルートを選んで登る。3ピン目を掛けるまでは、ビレイヤーの立ち位置を見て、その人のビレイ慣れ度合いを観察する。遠い=慣れていない。近くに寄ってもらうように指示する。たるみが大きい、たるみを取ってもらう。

確実な登攀とは、

1)逆クリップしない
2)ロープを足に掛けない
3)zクリップしない
4)落ちそうな場合は、「落ちるかも」と声をかけ、予告できる、
5)手繰り落ちはもっとも危険

ことです。

3)声掛け

クイックドローにロープを掛ける場合は、繰り出し動作を指示するため、「ロープ」と声を出す。

4)テンション 即時応答性

落ちても安全だと思える高さに来たら、一度テンションを掛けてもらう。テンションの素早さは、落ちた場合の、即時応答性、に直結する。

5)お試し墜落

お試し墜落は、比較的安全である人工壁でも、その人のビレイがある程度信用できると分かった後です。わざと落ちます。

その場合は、落ちても大丈夫と思える場所、空中、あるいは、終了点近くの高い位置、などです。落ちるかもと声を掛けます。

落ちて相手のスキルを確認するわけですから、大きな賭けになります。

一般的になれているビレイヤーの場合は、何も言わなくても、クライマーが落ちそうな具合かどうか、よく見て分かるものです。クライマーが登攀力のギリギリに近づいていそうであれば、ロープのたるみを最小限にして、墜落に備えています。

5)終了点

終了点まで来たら、アンカーにロープを掛けますが、下のロープを持ってから、「テンション」と声を掛けます。下のロープを持つのは墜落防止です。テンションが遅いビレイヤーが、テンションする前に体重を預けてしまうと、ロープが流れます。一旦流れたロープを止めるのは、至難の業です。

6)ローワーダウン

ローワーダウンしてください、と声をかけ、ローワーダウンを開始してもらいますが、この動作も初心者のビレイヤーの場合、クライマーが降りてくる真下に居たりします。クライマーはロープにぶら下がっていて、何もできませんので、ビレイヤー側に、下りてくるときにぶつからない個所に移動するように指示を出します。通常、壁のそばです。

7)着地と解除

ローワーダウンの着地も怪我が多いです。着地ではゆっくりと、確実に着地させてくるかどうか?を見ます。ロープを出さないとエイトノットがほどけませんが、出す時にテンションが抜けて、転ぶこともありますので、出す時は、「出しますよ」と通常ビレイヤーが言うはずですが、言わない場合は、クライマー側はしゃがんだり、自分でロープを引いて、たるみを作り、「解除」と言います。ビレイを解除してください、という意味です。

■ 安全は互いに守り合うもの

以上が人工壁での安全を守りながら登る場合の基礎的な知識です。

しかし、一般に、日本の人は、相手が分かっているもの、という前提で登り、クライマー側が、「ロープ」としたのビレイヤーに声掛けするのは、外国的な習慣のようです。

ラオスでは、ほとんどの人が初めてのビレイヤーと組むため、このように互いに安全を守り合う、と言う姿勢で、互いに協力し合うことがごく普通の行われていました。

■ 皆がしているから安全、は認知の誤り

人工壁では後ろに下がりすぎて、1ピン目のロープの屈曲が90度くらいになってしまっている人たちも多いです。

そう言う人たちをたくさん見てしまうと、それが正しいと感じてしまうかもしれません。

が、皆がしていることだから、やってもいいことだという思考回路は、日本人独特のリスクかもしれません。

■ 安全とは何か?今落ちたらどうなるか?

大事なことは、思考停止せず、

 今落ちたらどうなるか?

それを常に考えていることです。人工壁はその考え方が身についているかどうか、それを比較的安全に観察する場となっています。

また、上記は、落下係数が0.2になるように計算された人工の壁での安全管理の話です。自然岩になれば、落下係数はもとより、ビレイエリアも不安定なことが多く、マルチピッチになれば、ビレイはほぼハンギングとなります。つまり後ろに下がるなどできないことが多いです。

ので、上記は基本中の基本で、これらをマスターする以前に、より危険が大きい場所に出かけてしまうと、よりリスクが高くなる、というのは、理解できると思います。

ちなみに、現在の日本での山行形態で、もっともリスクが大きいのは、沢山行です。

安全な順に スポーツクライミング>外岩クラッギング>外岩マルチ>高山でのマルチピッチ(アルパイン)>沢となっています。 



Sunday, October 1, 2017

トップロープ支点に使う場合は、しっかりしたアンカーを構築しましょう

今日は人工壁の使用許可試験の日だった。

考えさせられることが多い日だった…

というのは、

試験官が、最初の座学(と言っても話を壁の前で聞くだけ)で、「ぬんちゃくにトップロープを掛けるときは、もう一つ上の支点からもスリングで伸ばして取るように…」と指導していたからだ。

「中間支点でアンカー作れって言うんですか?」とビックリ仰天して聞いてしまいました。

一般に、スポーツクライミングの人工壁やフリークライミングの岩場では、終了点という立派なアンカーが用意してある。

その途中は、中間支点といい、アンカーではなく、登っている途中での墜落を支えるもの。

ランニング支点には、基本的には落ちないで登る…万が一落ちたときのための保険である…のが前提…だが、その前提が全く覆されてしまっている現代のクライミング事情…。

しかし、考えてみれば、中間支点、プロテクションについては、一般の人にとっては理解が難しいのかもしれない。

フリークライミングでは、ある程度、墜落が許されている。ペツルボルトなら墜落しても大抵の墜落は止められる。が、ハーケンだったり、カムだったら話は別だ。

カムだったら、カムをしっかりと設置する技術が必要。ハーケンはオブジェ。信用してはいけない。

しかし、人工壁=スポーツクライミングなら、墜落は前提で、落下係数が0.2になるように設計されている。安全に配慮されているのだ。

しかし、その前提は、スポーツクライミング=人工壁のみ。

自然の岩場では、落下係数はもちろん人工壁のそれより大きく、フリーの岩場なら、まだ墜落も可能だが、アルパインの岩場では、決して落ちてはいけない。

中間支点は中間支点で、アンカーじゃない。

トップロープ支点はアンカーで作るもの…その前提が崩れてきているのだ。

私が思うには、すべて教える順序が逆になっているというのがそもそもの間違いなのではないだろうか?

私はアンカーの作り方から先に教わったと思う。その次にランニングの取り方。

支点は、クライミングのもっとも重要な部分を支えるもの。

クライマーにとって支点は命を預けるもの。

なので、いかにうまく支点を構築できるかは、重要なこと。

登っても登れなくても、ローワーダウンしていくので、このときこそ、支点がすべて。

だから、支点のことを先に教えるべきなのです。

カチ持ちとか、スローパーとか教える前に。

したがって、こういうべきなのです。

”人工壁でランニング支点一点でトップロープをするのは危険行為です” と。



ヨセミテロックフォール

2017年は蜂の当たり年

 ■ 山ヤは誰も歩かない夏山低山

山岳会は例会へ出たら、入会となるケースもあれば、お見合い山行するケースもある。

お見合い山行というのは、歩きを見る、と決まっている。

ので、真夏に例会に入会希望者で行ってしまうと最悪だと今回学習した。誰も歩きたくない真夏の低山を歩かされる羽目になってしまう。

夏山の最大のリスクは、熱中症です。

だから、真夏の低山なんて、暑くて、山ヤは誰も行かない…。

私は、”沢に行きたい”と言って、入会希望で出かけたが、沢山行も、いきなりだとヤダと会が言うので、参加できない。

私は個人で誰かを1級程度の沢なら、すでに連れて行けるスキルがあるのだが…。

まぁ、そんなことを言っても、誰がどんなスキルを持っているのか分からないのだから、ホイホイ連れて行く会より、まずはハイキングから、という会のほうが安心なのは当然そうである。

しかし、朝から用事がある日と重なってしまったので、キャンセルしてもらった。

相手も嫌々行く感じだった。この様子から、会の役割が、”押し付けられた仕事”、になっていることを感じた。

結局、レスキュー講習会に、見学者で参加してきた。

■ 自分のため

以前、先輩が「自分も復習になっていいんだよ」と言っていたのだが、それは謙遜だと思っていた…が、

本当だった

ということが判明(笑)。

私はロープワークはどちらかというと得意な方だが、それでも、久しぶりだと、”えっと~仮固定って何だったっけ~”となっていた。ま、仮固定、全然使わないから…だが…。仮固定に関して言えば、正確でなくても、ポイントは、フリクションが増えれば固定できることを知っていればいい、ともいえ、山岳総合センターのリーダー講習で教わった時も、講師が、「なんでもいい」と言って、私の方は、”?” となってしまったくらいの技だから、忘れても、なんちゃないのだが…。

ただ、先輩が言っていた、後輩の為ってより、自分の為、っていうことが非常に良く分かるようになって、一年の成長を感じた(笑)。

■ 2017年は蜂の当たり年です!

さて、今日は午前中はハイキングのレスキューで

・スズメバチ対策
・人が地面に倒れている時の対応
・救急セットの見せ合いっこ
・ザック搬送
・ツエルト設営

くらいをやった。

マラ岩でも、でっかい巣を見かけたが、本当に今年はあちこちの岩場で蜂の巣の報告が上がっている。こうしたことはクライマー情報網につながっていると小耳にはさむことができる。

ホントにヤバいくらいに一杯、どこの岩場も巣だらけみたいだ。マラ岩にもでっかい巣があったし、名張もそうらしい。

5月が暑かった、今年はスズメバチの当たり年だそうである。蜂の生態からすると、5月に温かいと、女王蜂の負担が減り、ペーペーの蜂が増えやすいのだそうだ。

山やたるもの、

 ・5月が温かく、
 ・猛暑の年

は、秋山(8~10月)は蜂に注意が必要な年だと心得るべし。

私が思うには、こうしたことは、登山ガイドなどではなく、駆除業者らのほうが当然だが専門家であると思われる。

■ 蜂さされ事故

マルチピッチでビレイした人がスズメバチに刺されて救急搬送されたそうである。

ビレイヤーをしていたら、刺されても逃げられない。クライマーしていても逃げられないけど…。284か所刺されてICUに入ったそうで、ホントに危険。お気の毒で声もない。

スズメバチ・・と思っていつも思うのは、黒い服の人のこと…都会のハイカーやクライマーは黒っぽい服の人が多いんだが…オシャレだからだと思うけど、秋山の最大のリスクは蜂なので、蜂が寄ってくる色は止めたらいいのに~といつも思う。

■ 自ら蜂の警戒領域に入らないようにしよう!

去年の今頃、小川山でクライミングで、トレイルではなく適当なところを通ったら、地蜂の巣を踏んだ。差されたのは3番目の人。

つまり、蜂は、警戒した場所に入っている人を攻撃するのである。

蜂に刺されるのは、蜂の警戒領域に入ってしまった人間側の責任、である。

だから、前のパーティは平気だったということは、大丈夫だという証拠にはまったくならないばかりか、

後続さんが刺されやすいように、前で蜂を刺激しておいてあげましたよ」

というのと同じことだ。勘違いしてはいけない。

余談だが、蜂だけでなく、悪名高い丹沢のヒルも、団体で歩いている時は、1番や2番ではなく、3番や4番に食ってかかる。

だからヒルにやられたくなかったら、先頭を歩くに限る。

それにしても、一般登山をしていた頃は、蜂との遭遇はあまりなかった。岩をするようになって、蜂との遭遇率は一気にアップした。岩場と言う環境が、蜂の巣を作る場所(生息域)と重なるのだろう。

人間の方が、自然界のもつ縄張り、テリトリーに入っているのだ、ということを、熊と同様覚えておかなくては。

蜂も熊も、人間がテリトリー内に入らなければ、襲って来ないのだから。

■ 救急セット

地面に倒れている人の対応は、日赤の救急救命法の受講をするのが一番いいと思う。

救急セット… 医療品の他、毛抜きを入れるべし。私は沢の時は水道水を持って行っている。穴の開いたペットボトルのキャップが一個入っている。

ツエルトは偉大な道具です。冬でもツエルトの人が多い…となるとテントの出番って、ホント無くなります…夏はいつもツエルト泊でした。冬は一度八つで単独テント泊してみたんですが、単独だと寒いです。どのようなテントでも…。どうせ寒いからツエルトでも一緒なのかなぁ。

去年は、雪山に泊まっていない…。おとどしは面白かったんだった…厳冬期2月の八ヶ岳で雨が降ったんだった(笑)。あれは、ハプニングが面白さや自信につながった山だった。

あれ、話が違ってしまいましたが… テントよりツエルト最強って話です。

■ クライミングレスキュー

私の班では、クライミングレスキューは、懸垂下降からやっていたので、懸垂からだと、まったくのゼロの初心者と言うことで、そもそもレスキューではないな~と思った。

懸垂なんて、いっつもやっている人が、岩場で困った羽目になった場合に、どうするか?っていうのが岩場のレスキュー、クライミングレスキューなので。

懸垂から教える人だったら、3分の1引き上げの知識はいらない。一応知識の紹介、程度ということになるだろう。

今懸垂を習う人に必要な知識は、まずは自立したセカンドになってもらうための、
 ・懸垂 (最低2種類、初心者は確保器を落とすから)
 ・自己脱出
 ・登り返し

の3点セット。私の班は、女性2名が初心者のようだったので、

 ・バックアップつき懸垂
 ・ムンターでの懸垂
 ・仮固定
 ・自己脱出
 ・登り返し

で終わり。他の班は、3分の1引き上げまでやっていたようだ。

カウンターラッペルや、ディスタンスブレーキ、ザイル通過、介助懸垂、チロリアンブリッジなどは、まぁ、イラナイというか…時間が足りない。

レスキューも2段構えが必要です。最低限セカンドの人が必要な知識は、

 自分で自分を何とかする技

ですが、リーダーになったら、相手を何とかしてやらなくてはなりません。

 相手を何とかする技

というのは、また別日程がいるようなハナシ…

去年、楽しくクライミングレスキューしたな~ O君元気かな~と思いました。

■ リスク管理

まったくの初心者の方が、懸垂の練習で転んで、頭を打ち、鈍い音がして、一次は静まり返った。

緩傾斜(階段)だが、懸垂支点から真下にずっと体重を掛けていないとフラれる。緩傾斜のほうがむしろ、宙吊りの懸垂より難しい…ので、

 初心者にはヘルメットをかぶせておくべきだ

と学習した。幸い、たんこぶで済んだようだ…。

終わりに、クローブヒッチ、ムンター、エイトノットを教えてあげ、古いスリングを一本練習用に上げたのだが、練習してくれるかなぁ…

私にもあった初心者時代。いまだに岩場では初心者然としているが、それは、岩場の平均年齢が高くて、いつまでたっても、ほぼ最年少であるためなんだが(笑)。

とりあえずは、初心者を自分のセカンドに仕立てられるくらいには、ロープワーク教えられます(笑)。

セカンドをゲットするため、苦労したからなぁ。

≪参考≫
クライミングレスキューの部屋
https://alpinrescue.blogspot.jp/

去年の記録
https://allnevery.blogspot.jp/2016/07/blog-post_30.html

スズメバチ対策 まとめ
https://t-meister.jp/hachi/lab/syuusei.php
・5月が暑い=蜂の大繁殖 
・8, 9,10月がピーク
・12月までに収束
・巣の10m以内に入る=巣に近づきすぎ