■ ジョウゴ沢の復習
昨日は、ジョウゴ沢の記録をまとめていたのだが、行程が意外に短く、色々と混乱があった。
カシミールで、GPSと写真をマッチングさせると・・・右股のアイスと思っていたのが、乙女の滝だった(^^;)。
ヒロケンの『アイスクライミング』に出ていた概念図が、小さくてちょうど手帳に張り付けるのに適したサイズだったので、利用していたら、だいぶ位置関係が違ったようだった(汗)。
人が作った概念図を信頼してはいけないってことかな? 滝の位置は、よく地図でも間違っている。
また、このジョウゴ沢のあたりは、今の2万5千の地図ではいい加減な書き方をされていて、それはおそらく、航空写真から地図を作るようになったからだろう。
以前の2万5千の地図の方が地形表現が充実している。ここにも文化の後退がひとつ。楽をして、歩いて作らなくなったのだ。
人間が手と足を動かさなくて良くなり、昔は労働としてなされたことが、今では趣味となっている。
例えばパンを作ること。例えば、料理。たとえば、編み物。たとえば、畑。例えば、釣り。たとえば、山歩き。
昔は苦役だったものが、今はお金をあえて投入してやる贅沢になっている。
だから、おかしなことに昔、ただで出来たライフスタイルをしようと思えば、昨今はむしろお金がかかるのだ。不思議ね~。
ジョウゴ沢で印象に残ったのは、F2上がってから、右隣に見えた尾根だ。
難しいことなく登れそうに見えた。
ジョウゴ沢の河原から、左側はあまり取り立てて、登ってみたくなるような尾根は見えなかった。
それで、そうか、だから、横岳西面が開拓されたのだな~と納得した。
どうなっているのか、明らかにしたい、という気持ちになるだろう。
この大同心を見たら、基部に行って見たいと思うだろう。
そういう風に、次に行きたいところを思わせるルートは、良いルートだ。
阿弥陀北陵は、まだ行っていないが、ここはクラミング力を誇示するようなルートではなく、うっかりすればロープを出さずに登ってしまうような、易しいルート。
パートナーとロープワークを確認するために行けばよく、固定パートナーがいないなら、別に行かなくて良い。
なぜか、そうしたルートの性格をあまり考えず、次から次へと、皆ルートを落としたがるのは、何故だろう?
百名山ハンティングと同じではないか?
■ 兜山とジョウゴ沢
ジョウゴ沢はトータルで大体20kmくらいの山。鉱泉まではだらだらしているので、あまり強度は強くない。
一昨日行った兜山は、軽い山にしようと言ったのに(笑)、大体12km位の山。 軽いと言っても、傾斜もきつく結構大変だったなぁ。みんな元気だなぁと思った。
山地的な位置づけだけが、兜山と八ヶ岳では、里山か、高山に属すかだけしか違わない。全体の標高が高いだけで、条件が良い日であれば、八ヶ岳の方が優しくもなり、里山だからと条件が悪い日に出かければ、むしろ道迷い遭難のリスクは高い。
低山だからカンタンと言えないのが山だ。高山に単独で私が出かけるのは、低山にはない山小屋があって、衆人環視と同じことになり、リスクが減るからだ。初めて出かけた単独は北岳。
登山の素人の人は、そういうことは分からないので
・登った山の標高
・登った山の数
でしか、登山者を評価しない。外国人は標高の高い山、日本人は数、なのだそうだ。
どちらにしても、標高と数を求める登山者は、他者の評価を求めているわけだ。
山は自己満足、と良く言われる。それは、山は物語り、ということだ。
二つの山はどちらも、心の充足をもたらした良い山だった。仲間が良かったこともあるし、目的にぴったりと山行の内容が一致したこともある。
ジョーゴ沢では、言われるまで気が付かなかったが、前後の長いアプローチをこなした上で、ザックを背負って登る初めてのアルパインルートだった。先輩なし。実力拮抗型チーム。つまり、初めての自前アルパイン♪が貫徹できたし、友達との協力がうまいことできた。
これは条件が非常に易しいときに当たったので、気持ちを引き締めなくてはいけないが、そうしたことも含めて、山が懐を開いてくれた山行だったということだ。
兜山では、先輩たちが色々と私の未知なる、山ヤ道を教えてくれた。女性のガチの先輩たちは私がしている苦労なんて、とっくの昔にやってたんだなぁ・・・。後輩への思いやりの山だった。
どういう心の山を紡いでいくか?それが大事なことであって、ドーダ登ったぞ、凄いだろ、というのは、裏を返せば、自信の無さを表しているのだろう・・・
■ コメント
昨日は、ちょっと気恥ずかしくなるような、お褒めのコメントをいただいた。 大変光栄です。
光栄すぎて、公開はできませんので、ここにてお礼を申し上げます。励ましのメッセージ、どうもありがとうございました。
こんにちは
ReplyDeleteブログ拝見しました。
阿弥陀岳北稜についててですが、過去の記述をチェックすると「楽勝ルート」「ロープなしで」と繰り返し書かれていますが、
経験の浅い読み手に、誤解を与えるおそれがないでしょうか。
夏の前穂高岳北尾根3峰核心はリードできなかったとのことですが、であれば、アイゼン手袋で登る阿弥陀岳北稜も、そこまで容易ではないと思いますよ。
そうですね、たしかに誤解を与えて良くないかもしれません。先輩の言葉通りに書いてしまっていますので、気を付けます。
Deleteあと、前穂北尾根、3峰ですが核心部は一番難しいルートで、易しい左ルートではありませんので、念のため・・・
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